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竜星君が翔太君を叩くワケ<後編>保育者は探偵になり「原因」を探り「解決」へ導く

葉っぱの写真
言語聴覚士として長年児童発達支援に携わってきた原 哲也さんのコラム。保育士であれば知っておきたい「気になる子」への関わり方について毎回事例を挙げて解説していただきます。今回は、隣の子を叩いて泣かせてしまう子のケースについての回答編です。

前回のおさらい

紙芝居のときに友だちを叩いてしまう竜星君。「乱暴な子」として対応するのと、『だから、だってフォーム』を使って対応するのと、竜星君にとっては何がどう違うのでしょうか。

保育の仕事とは

そのお話の前に、そもそも保育の仕事の目的は何か、言い換えると「子どもにどういう経験をしてもらうことが保育士の役目か」を皆さんに問うてみたいと思います。どうですか?

「集団生活が送れるようにする」「身辺自立」など、いろいろな考えがあるでしょう。
どれも間違いではありません。

でも私は、最も優先されるべきなのは、子どもの中に
  1. 自分を好きという感覚
  2. 家族や友だちや周りの人を好きだという感覚
を育てることだと思っています。

この感覚は、子どもがその子らしく生きていく上でも、社会で人と共生していくために必要なことを学ぶ上でも、ベースになる大事な感覚です(「③人の役に立つことができる」感覚も非常に重要だと私は考えますが、それはまた別の機会に)。

だとすれば、保育ではあらゆる場面、あらゆる関わりにおいて、子どもの中に「自分が好き」「人が好き」という感覚を育てることを目指さなければなりません。翔太君を叩く竜星君への対応においても、「自分が好き」「人が好き」という感覚を育てることを一番に考えるのです。

「自分が好き」「人が好き」を育てる対応とは

この点、2つの対応はどうでしょうか。

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原 哲也(はら てつや)

この記事を書いた人

原 哲也(はら てつや)

言語聴覚士・社会福祉士 一般社団法人WAKUWAKU PROJECT JAPAN代表理事。児童発達支援事業所「WAKUWAKUすたじお」代表。1966年生まれ、千葉県出身。大学卒業後にカナダの障害者グループホーム勤務、東京の障害者施設職員勤務を経て、29歳から小児障害児リハビリテーション専門職として、長野県の病院や市区町で発達相談や障害児の巡回相談業務に携わる。『発達障害児の家族を幸せにする』を志に、全国を駆け回り、乳幼児期から青年期までの発達障害児と家族の応援をおこなっている

<WAKUWAKUすたじおHP>
http://www.waku-project.com/

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