2021年、カノア保育園を取り巻く状況は?
カノア保育園のあるセアラ州では、2021年3月4日に緊急事態宣言が出され、全ての都市でロックダウンが発令されました。3月24日の新型コロナウイルス感染症による陽性者はブラジル全土で90,504人。この日、新型コロナウイルスによる合計死者数は30万人を超えました。カノア保育園のある観光地として名高いカノア・ケブラーダ地区では、ロックダウンにより、日常品を売るスーパーと薬局以外はすべて休業となりました。ホテルやレストラン、土産物屋で働く人の多くは、再び失業してしまいました。
カノア保育園の保護者の多くは、観光業に従事しています。現地のスタッフに調査してもらったところ、保護者の内93%の人が観光業に従事しており、現在失業中となってしまいました。
課題の多い「リモート授業」をどう乗り越える?
カノア保育園の新年度(2021年度)は、3月からリモート授業で開始されました。昨年のリモート授業では、子ども達の発達に多くの課題が見つかり、また、ネット環境の格差があることから、どのような授業をしていくべきか再度考える必要がありました。そこで私たちが考えたのは、この3本柱です。
- 保護者に対するワークショップ
- 月に1度の教材配布
- 写真及び動画による、課題の提出(難しければ、課題をカノア保育園に提出)
また、個別に課題を送って教材(プリントしたものや画用紙などの文房具等)を自宅に届けても、保護者がその課題を理解し、子どもに伝えることができないため、私たちのねらいとは異なる学びとなってしまうことが昨年度の経験から分かっていました。 そこで私たちは全ての保護者と個別に面談して、2つの点について相談してみることにしました。
●リモート授業を行うために「保護者向けのワークショップ」を予定していること。
●課題の提出はどのような方法ならば可能であるか?
各家庭に状況を聞いていくことで、全ての子どもが同じように授業に参加できる方法を探しました。
そして1週間後、いくつかのグループに分けて、まずは保護者に対してワークショップを開催したのです。 「保護者向けのワークショップ」では、家庭で行ってもらいたい“授業”について、約1か月分の内容を伝えます。
- その月の目当て(ねらい)
- 一人ひとりに合わせた課題
- どのような活動を何のために実施するのか
“年齢ではなく、その子にあった課題を”
2021年度、私たちが活動の核としているミッションです。
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