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宮里暁美先生に訊く、一斉保育の環境で子どもの主体性を引き出す方法【インタビューVol.2】

お茶の水女子大学教授の宮里暁美先生
お茶の水女子大学の教授として、また認定こども園の園長として、保育の第一線で活躍する宮里暁美先生インタビュー第2回。

今回は、一斉保育を行う中でもできる子どもの主体性の引き出し方を伺いました。「一斉保育だから子ども主体の保育はできない」と諦めている保育士さんもいるかもしれません。宮里先生によると「一斉保育でも子ども主体は必ずできる」とのこと。その言葉の意味を探っていきます。

「子どもの活動に惚れ込む保育」を

一斉保育の中で子どもの主体性を引き出すのはむずかしい、と感じている先生も多くいらっしゃると思います。一斉での活動の中で主体性を引き出すにはどうしたら良いでしょうか。

私は、一斉保育の中でも「子ども主体の保育」はできるはずだと思っています。子どもたちは楽しんでいるとき、“一斉保育”だとか“自由保育”だとか思っていないんですよね。ただただ、楽しんでいるに過ぎないはずです。

そこで私が好きな一斉保育は、「多様な動きを想定した投げかけをする保育」。お茶の水女子大学こども園では、アートの先生が来て活動を提案してくれるときがあるのですが、そこでこんなおもしろい事例がありました。

2歳児クラスで、お花紙に水をかけて粘土のようにして遊ぶ活動を行ったときのことです。先生は、活動に入る前にまずお花紙で遊ぶんです。ふわっとあげてみたり、ビリビリにしてみたりして遊ぶ。「これをしなさい」という指示はないので、みんなおもしろがって自分の思うように遊び始めます。
やってもいいし、やらなくてもいい。他のことをしていてもいいよ、という雰囲気の中で面白いことが始まると、いつの間にかみんなやっている、なんてことがありますよね。

そうしているうちに、「水を入れてみよう」と言うと、みんな「やってみたい!」と言って活動に入っていくんです。先生が「どうぞ」と言うまでやってはいけないなんてことはありません。

子どもたちが興味を持ち「やってみたい」「やれそうだ」と思うものを子どもたちに渡してしまえば、あとはもう子どもたちが自分の力でやるのでどれもありなんですよ。そうすると、子どもによってやることが違うので、そこに発見があっておもしろい。

外側から見たらみんなで一緒に遊んだ「一斉保育」ですが、子ども側の気持ちに立ってみると自分の思うままに遊んでいます。

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