プール開きとは
プール開きはプール遊びや水遊びを始める初日に行います。これからプール遊びが始まることやその約束などをみんなで確認する行事です。
子どもたちは水遊びやプール遊びを楽しみにしていますが、危険を伴う遊びでもあるので、注意事項を子どもに伝えたり、水遊びに慣れることがプール開きの大きなねらいとなります。
プール活動のねらいとは
保育園や幼稚園では夏になるとプール活動を楽しみます。プール開きは、活動のねらいをしっかりと立てたうえで行いましょう。クラスによってさまざまだと思いますが、今の子どもたちに合わせて考えることが大切です。
0~2歳児クラスでは大きなプールに入るのではなく、水遊びとして活動をしている園も多いようです。子どもたちが安全かつ楽しく参加できるようにしましょう。
例)
- 水の感触に慣れ、水遊びを楽しむ。
- 水や泥などの感触を楽しむ。
- 水の性質に興味を持ち、さまざまな遊び方で楽しむ。
- 水に触れることを通して夏の遊びを体験する。
- プールに入る前は体操をする、終わった後は水分補給をするなど、プールを通して健康や安全について学ぶ。
プール開きの流れ
プール開きは、子どもたちがこれから安全に楽しく活動するための大切な行事です。しっかりと内容の計画を立てて進めましょう。日よけや目隠しをつける
プール開き当日までに、活動をする場所に日よけや目隠しをつけておきましょう。プールや水遊びで使用するグッズなども点検して、安心・安全に活動を始められる準備を整えてからいよいよプール開きです。約束を確認
始まる前に必ず「約束事」を子どもたちと確認しましょう。- プールには体操をしてから入る
- プールサイドは走らない
- プールに飛び込まない
- 友だちを押したり、嫌がる相手に水をかけない
- プールの前にはトイレに行く
- 先生の話をよく聞く
お清め
方法は園によって異なりますが、プール開きの日はお塩やお酒を使ってお清めをするところも多くあります。「神様に『みんながケガなくプールを楽しめますように』ってお願いするんだよ」など、お清めの意味を分かりやすく伝えることで、意識もグッと高まります。体操をして入水
子どもたちは早くプールに入りたくてうずうずしているかもしれませんが、体操を忘れずに。これを怠ると大きな事故につながってしまうこともあります。「ただただ体操をするだけでは飽きてしまいそう…」というときは、子どもたちのお気に入りの曲を流すなど工夫してみましょう。体操が終わったらいよいよ入水です。このときも急に水の中に入ることがないよう、少しずつ体を慣らしていきましょう。
プール開きを成功させる2つのポイント
プール開きで大切なのは「約束」と「遊びのアイディア」ですが、どのように進めたら良いでしょうか。
1.約束の伝え方
子どもたちに約束が伝わりやすくなる3つの方法をご紹介します。
①約束を目で見えるようにする
プールでの約束をペープサートやパネルシアター、紙芝居にして、目に見える形で伝えると子どもにとってわかりやすくなります。
例)
- プールサイドで体操をしている絵
- プールサイドを歩いている絵
- プールの前にトイレに行っている絵
守ってもらいたい約束をイラストにすれば目と耳から情報をキャッチできるので、子どもたちの記憶にも残りやすくおすすめです。
②ストーリーで伝える
約束ごとを目で見えるようにした後は、そこにちょっとした物語をつけて説明すると、さらに効果が高まります。
例)
- プールの前にトイレに行かなかった◯◯くんは、 プールの途中でトイレに行きたくなって困ってしまった。
- プールに飛び込んだ〇〇さんはつるっと転んで怪我をして、 その後プールで遊べなくなってしまった。
「プールで走ってはだめです」と伝えるよりも、短いストーリーで伝えた方が「なぜ約束を守るのか」がよくわかりますよ。
③クイズ形式で伝える
保育士から一方的に約束を伝えるだけでなく「考えさせる要素」を入れると、子どもたちが主体的に約束を覚えていきます。
例)
- ◯×クイズ
「プールサイドは走っても良い」◯か×か?
- クイズ
「プールに飛び込んだらどうなるでしょうか?」
3歳、4歳、5歳児クラスの子どもたちには、考えさせることが特に大切です。プールの約束を自分たちのこととして捉えられるように工夫していきましょう。
「プールに入るときの10のお約束」説明用イラストはこちらから無料でダウンロードできます。
2.プール開きの遊びアイディア
プール開きでは子どもたちはまだ水に慣れていない状態です。園の方針にもよりますが、プールの水位を子どもたちのひざより低くして、水遊びを無理なく楽しめる環境を作ると遊びやすくなります。
遊びの例)
- プールの中でよつばい(くま)
- 腹ばいになって進む(ワニ)
- しゃがんで歩く(アヒル)
- 水かけ遊び
くまやワニ、アヒルのように体を動かして遊ぶ運動遊びをプールでやるのもおもしろいです。 水かけ遊びをする際は、顔に水がかかるのが苦手な子もいるので、友だちの背中に水をかける遊びにすれば、みんなが参加しやすい遊びになります。
プール活動の注意点
プール開きのあとは本格的にプール遊びが始まります。楽しいプールにするために、注意点は園内で共有しておきましょう。検温、体調チェックが必須
普段から検温や体調チェックは行っているかと思いますが、プールの日には保護者からの活動参加許可を得る必要があります。プールカードを作り、「体温」「体調」「保護者印」の項目を設けておくといいですよ。気温・水温をチェック
プールに入る日は気温や水温のチェックを必ず行いましょう。気温が低い日にプール活動は適しませんが、「外が暑いからOK」というわけではありません。園で決められた基準を確認したうえで、安全に活動できるかどうかを考えて柔軟に対応しましょう。滑りやすいものを置かない
プールの近くにすのこやマットのような滑りやすいものは置かないようにします。足拭き用に置くのであれば、バスタオルなどを敷いて対応しましょう。水分補給を行う
活動が終わったら水分補給を忘れずに。あまり喉が乾いた感覚はないかもしれませんが、脱水症状を防ぐためにも保育士さんも子どもたちもしっかりと水分を摂ってくださいね。必ず監視者をつける
例え5歳児クラスであっても、プール活動は保育士ひとりでは決して行ってはいけません。必ず監視者となる先生を配置しましょう。監視者になった先生は、保育には入らずに監視に徹することが大切。こまめに人数や子どもの様子を確認してくださいね。長時間やらない
暑い日のプールは気持ちがいいうえに、子どもたちも楽しくて夢中になって遊んでいるかもしれません。しかし、長時間のプール活動は禁物です。決められた時間内であっても、気温によっては切り上げるなどの対応をしましょう。また、活動は日が高い時間を避けて行うといいですよ。安全に楽しい夏の行事を
プールは夏ならではの楽しみのひとつです。プール開きのあとは本格的にプール遊びが始まります。安全に気をつけながら、季節の行事を思い切り楽しんでくださいね。【関連記事】