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<後編>「いつも眠そうな子」の理由とは?【保育者の関わり方】

なぜ?いつも眠そうな子ー後編ー
言語聴覚士として長年児童発達支援に携わってきた原 哲也さんのコラムです。保育士であれば知っておきたい「気になる子」への関わり方について解説していきます。
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【今回のテーマ】睡眠の質を分析する

前回から「いつも眠そうな子」の理由についてお話を始めました。

▼前回のお話はこちら 今回はまず「ノンレム睡眠とレム睡眠の最中には、それぞれどういうことが起きているのか?」について、お話ししましょう。

ノンレム睡眠で起きていること

眠っている女の子と脳のイラスト
ノンレム睡眠は、脳の深い部分が休息している睡眠状態でした。ノンレム睡眠の間には、次のようなことが起きています。

1.脳のメンテナンス

子どもは成長とともに、ことばを話したり考えたり、脳を使うことが多くなります。

脳が活動するには脳の情報処理を保つための物質(精神伝達物質)やエネルギー源(ミトコンドリア)が必要であり、脳を使うことでこれらは消費されます。

ノンレム睡眠で脳の深い部分が休息すると、これら「脳が活動するために必要な物質」が分泌されてチャージされ、「脳が活動できる状態」にメンテナンスされます。

2.成長ホルモンの分泌

成長ホルモンは文字通り成長をつかさどるホルモンで、このホルモンの働きで、骨や筋肉が形成され、身長が伸びます。

成長ホルモンは、入眠直後のノンレム睡眠、それも最も深いレベル4のノンレム睡眠の時に分泌されると言われています。

成長ホルモンは寝ている間に分泌される

まさに「寝る子は育つ」という諺(ことわざ)どおりなのです。

成長ホルモンはその他にも、細胞の新陳代謝を促進し傷を治癒したり免疫を高めたりといった役割も果たします。

ところで、成長ホルモンが骨や筋肉を形成したり細胞の新陳代謝を促進したりといった働きをするとき必要なエネルギーは、脂肪を分解し燃焼することで得られます。

ですから、ノンレム睡眠で成長ホルモンがたくさん分泌されると、たくさんの脂肪が分解され燃焼されます。つまり、十分な睡眠が太りにくい身体を作るのです。

睡眠時間が1日12時間以下の乳幼児は、就学前に過体重になるリスクが2倍あるといわれています。
(出典『こどもとねむり』三池輝久 メディアイランド)
こいのぼりのと自然の景色


レム睡眠で起きていること

眠っている女の子と起きている脳のイラスト
レム睡眠は脳が活発に働いている睡眠状態です。レム睡眠中には、①身体の休息と②記憶の整理と定着が行われています。

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原 哲也(はら てつや)

この記事を書いた人

原 哲也(はら てつや)

言語聴覚士・社会福祉士 一般社団法人WAKUWAKU PROJECT JAPAN代表理事。児童発達支援事業所「WAKUWAKUすたじお」代表。1966年生まれ、千葉県出身。大学卒業後にカナダの障害者グループホーム勤務、東京の障害者施設職員勤務を経て、29歳から小児障害児リハビリテーション専門職として、長野県の病院や市区町で発達相談や障害児の巡回相談業務に携わる。『発達障害児の家族を幸せにする』を志に、全国を駆け回り、乳幼児期から青年期までの発達障害児と家族の応援をおこなっている

<WAKUWAKUすたじおHP>
http://www.waku-project.com/

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