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日本での保育実習で得たヒントとは?【みんなで作るカノア保育園・その4】

砂浜で遊ぶブラジルの子どもたち
2000年、ブラジル北東部にある人口300人の小さな漁村“カノア・ケブラーダ”に保育園を作った鈴木真由美さんのストーリー。「村の子どもたちには合っている保育とは?」を考えていくにつれ、どうしても引っ掛かる想いがあった鈴木さん。その答えを見つけるために、半年間さまざまな日本の保育園や幼稚園で実習させてもらうことにしました。
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日本での保育実習で感じたこと

日本に戻り、さまざまな保育園や幼稚園で実習させていただく中で感じたこと。それは、どの教育方法も理念も、それぞれ目標や目的があって、それは、どの教育方法や理念をとってもそれぞれの信念に基づいた目標や目的があり、選択肢がとてもたくさんあるということでした。

ある園においては、自然と触れ合う機会のあまりない子どもたちに対して、自然体験活動など“生の体験”をとても大切にしていました。また別の園では、親子関係の希薄さを少しでも改善しようと、園庭の遊具を一緒に作るなど、家族を巻き込んだ保育を展開していました。


さまざまな保育のヒント

基本的に私たちは、子どもを一人の人間として、その発達に沿った教育を実施するということ、そして一人ひとりを丸ごと受け止めてあげるということを大切にしたいと考えていました。その意味で、子どもに寄り添う保育を実践している園の実習では、さまざまなヒントをもらうことができました。

また、実習をさせてもらった日本の保育園や幼稚園の多くが、専門の講師を招いて体操や英会話などを実施していたこともヒントになりました。それらは子どもたちにとって新しい体験をもたらしてくれたり、専門的な指導をしてくれるのだと気付かせてもらいました。私はこうした専門の講師による活動を見ながら、カノア保育園では、手先の器用な母親たちなどに来てもらい活動に参加してもらうことができる!! と想像を膨らませていったのでした。

その頃、カノア保育園では

私が日本にいる間、エヴァさんが担任として保育園を支えてくれていました。当時のエステーヴァン村(カノア保育園のある村)には、公衆電話が1つあるだけだったので、今のように簡単にメールや電話で現地の様子を聞くということはできませんでした。手紙を送っても、届くまでに3カ月近くかかってしまうため、私が送ってすぐに返事を書いてもらっても、手紙を出してから返事が来るまで半年近くかかってしまいます。そのため、日本にいる間はカノア保育園が一体どのような状態であるのか、私自身分からない状況でした。

エヴァさんがいるから…と安心している半面、初めての保育園というものが村の人々や子どもたちにとってどのようなものであるのか。正直不安でもありました。そしてついに、カノア保育園に戻る日がやって来ました。

ここからが本番

日本からブラジルに戻り、カノア保育園に向かう前に、まずはエヴァさんからさまざまな話を聞きました。保護者は満足してくれていること。多くはお昼を食べさせてくれるからという理由であっても、子どもたちは毎日登園してきていること。しかし、通ってきている子どもたちは部屋の中に入ってくれず、困っていること。食事もテーブルでできず、床に座って食べている子どもが多くいることなどを聞かされました。

どんな教育方法が良いのかということ以前に、目の前の子どもたちにとって必要なことを教えていかなければならない。ここからがカノア保育園を作る本番だったのです。


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鈴木真由美(すずき まゆみ)

この記事を書いた人

鈴木真由美(すずき まゆみ)

保育士。ブラジル・カノア保育園 園長。2000年にブラジル北東部にある漁村カノアに渡り保育園の運営を始める。2006年にカノアでの支援を目的にした「光の子どもたちの会」を設立(2015年にNPO法人となる)。現地の地域力向上を目指して活動中。2児の母。
<光の子どもたちの会HP>
http://criancasdeluz.org/quem_somos_nos/quem_somos_jp.html

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