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プレスクールのプロジェクト活動で見られた子どもたちの姿とは

スウェーデンの幼児向けキャラクター「バッブラナ」のおもちゃ
スウェーデン在住で2児の母であり、プレスクールで保育士として働くよしざわたかこです。この連載ではスウェーデンの幼児教育を中心として、保護者の目線と働く目線とを織り交ぜながら、現地のリアルな情報をお伝えしていきます。
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「プロジェクト活動」紹介の後編

今回は、前回取り上げた「プロジェクト活動」の後半です。 プロジェクト活動を「Babblarna(バッブラナ)※」に決めてからまず行ったことは、室内環境を変えることです。例えば、それまで壁面に配置していたアルファベットカードをBabblarnaのものに変えたり、オムツ替えコーナーにキャラクターを貼ったりしました。年少児の場合は、身近なキャラクターを通して世の中のことを楽しく学んでいくと考え、できるだけ室内にも統一感を持たせるように工夫しました。

職場では毎月ごとにフォーカスするナショナルカリキュラムの領域があるので、それに合わせて保育士側が保育計画を立てました。「自然」がテーマの月では、普段行く森で鳥にエサをあげる活動をしたのですが、その時はBabblarnaのキャラクターがエサをあげる設定にして、鳥の生体系を分かりやすく伝える活動をしました。

「技術」がテーマの月では、牛乳パックのフタを再利用して、キャラクターの目にしました。
保育園でのプロジェクト活動の様子
この活動には、ダンボールに貼りつけてフタを開け閉めするテクニックを体験することと、誰の目なのかを左右で比較して見つけるなどの数学的要素も盛り込みました。教材を子どもたちに渡したところ、フタが外せず引っ張る姿が何人かに見られました。ここでは、フタをつける技術と外す技術が実は違うという発見が得られました。




思い出の活動エピソード

これらの活動の中で、特に思い出に残っているエピソードがあります。それはお迎え時間前に自然発生的に起こった創作活動でした。アトリエで何をしようか、と2歳前後の子ども3人と話していました。そこにはBabblarna の塗り絵とシルクペーパーを使った貼り絵の作品が壁に飾ってありました。1人の子が「塗り絵をやりたい」と言うので、何の迷いもなく色鉛筆を差し出しました。

しばらく各々塗り絵をしていたのですが、その子が「あれを貼りたい」とシルクペーパーの作品を指差すのです。2歳前後で2つの活動を結びつけて「何かを作りたい」という表現力。子どもを捉える視点を改めさせられました。しかも、この活動は他の2人にも伝播していきました。
スウェーデンのキャラクター「バッブラナ」のちぎり絵
これはねらいのある活動ではありませんでしたが、Babblarna を中心に螺旋階段を登るように日々いろいろな知識や経験が積み重なっている様子が見えました。

楽しみな今後の姿

2回に分けてプロジェクト活動についてお伝えしてきました。今学期も引き続きこのBabblarna のプロジェクト活動を行う予定ですが、どんな子どもたちの姿が見られるか楽しみです。

※Babblarna(バッブラナ):スウェーデンの0〜2歳児向けのキャラクター。原色の色を使い「Babba」「Dadda」と言った赤ちゃんが発語しやすい名前がつけられています。


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よしざわたかこ

この記事を書いた人

よしざわたかこ

スウェーデンの保育士。東京でOL(10年)→出産→退職→幼児教育を学ぶために再度大学生→2016年に家族でスウェーデン移住→スウェーデン語をゼロから学び、2019年5月からプレスクールに勤務中! 移住後は、スウェーデンの幼児教育事情をブログにて配信中。
<Twitter>
@swedenhoiku
<Instagram>
@sweden_hoiku
〈ニュースレター スウェーデン保育通信〉
https://sweden-hoiku.medy.jp/

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