防災の日とは?
毎年9月1日は「防災の日」。この日は、1923年(大正12年)に関東大震災が発生した日であり、また例年台風が発生しやすい時期でもあるため、防災への心構えをする意味で1960年(昭和35年)に制定されました。防災の日を含む1週間は「防災週間」とされ、全国各地で防災訓練などが実施されています。園ではこの期間中に、災害時の保護者への引き渡しを想定した「引き取り訓練」を行うところも多くあります。
保育園では毎月避難訓練を行っていると思いますが、防災週間を機に改めて地震や火事、台風、ゲリラ豪雨、津波、高潮などさまざまな自然災害を意識して、避難方法や避難経路を確認しておきましょう。
避難訓練でチェックすること
毎月行われている避難訓練も、慣れてくるとついつい流れ作業のようになりがちです。しかし避難訓練をしっかりとすることで、もしもの時に子どもたちや自分の身を守ることに繋がります。今一度気を引き締めて、訓練に臨んでみてくださいね。災害ごとの対応を確認する
避難訓練というと、地震や火事に対応するための訓練をすることが多いですよね。しかし近年では、大型の台風や、線状降水帯による集中豪雨、ゲリラ豪雨による災害も数多く発生しています。また大地震の際は、住んでいる地域によっては津波が起こる可能性も考えておかなければなりません。まずはどの災害で、どのような動きをするのか確認しておきましょう。災害時の大人の役割分担もしておき、それぞれがスムーズに動けるようにしておくことも大切です。避難経路を確認する
避難訓練時には、避難経路のチェックを行いましょう。「本当に今の経路で問題ないのか?」「子どもたちが避難する際に困ることはないか?」などを考えてみてください。すべての職員が必ず避難経路を把握しているように、新しい先生が入ってきたときもしっかりと伝えてくださいね。定期的に地域のハザードマップなどを見直しておくのも良いでしょう。また、避難場所の確認も合わせて行いましょう。防災グッズを見直す
防災グッズの中身は、「足りなくなっているものはないか」「消費期限が切れているものはないか」など定期的に見直しておきましょう。液体ミルクや電子ホイッスルなど、今では便利な防災グッズがたくさん販売されています。こちらの記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。保護者との連携を確認する
保護者との連携は、自然災害時にパニックを起こさないためにも重要です。保育士さんは誰に、どのように連絡をするのか把握し、保護者と共通認識を持っておきましょう。防災週間に引き取り訓練をする園も多いかと思います。保護者も参加する訓練の機会はなかなかないので、園と家庭の双方が意識して取り組めると良いですね。災害時に想定される子どもの動き
保育園や幼稚園、認定こども園では、災害時に一斉に大勢の大人や子どもが避難することになります。そのため、園ならではの事態が起こることが考えられます。どのようなことが起こりうるのか予測して、日々訓練を行いましょう。動揺で動けなくなる子がいる
普段と違った雰囲気への違和感や不安から、泣き出してしまう子やその場から動けなくなる子がいます。年齢や普段の様子とは関係なく、「いつもとは異なる行動をする場合もある」という意識を持ち、もしそのときはどのように対応するか決めておきましょう。状況に合わせておんぶ紐などの使用も視野に入れておくと良いでしょう。防災頭巾の着用に時間がかかる
避難訓練の際、防災頭巾はどのように被っていますか? 年齢によっては子どもたちが自分で被ったり、先生が一人ひとり被せたりとさまざまかと思います。しかし、実際の災害時は子どもたちだけでなく、先生たちも動揺してしまうことが考えられるため、「普段ならすぐに取り出せる防災頭巾が出せない」なんてこともあるかもしれません。防災頭巾はすぐに手の届く場所に、取り出しやすいように入れておきましょう。階段避難で混乱する
厚生労働省の資料では、階段避難では低年齢児は特に歩行速度が遅いことや、普段使用していない階段の使用で立ち止まったりする可能性が高いことから、高年齢児から避難させる方が避難時間の短縮になるとしています。また、手すりの位置の調整や、一時避難できる防火・防煙上の安全確保がされた場所の確保をすることが有効と考えられています。参考にしながら、安全に避難するための動きを確認しておきましょう。
出典:乳幼児の避難行動特性と避難安全計画/厚生労働省
災害時の対応を確認しよう
自然災害はいつ起こるか分かりません。そしてそのときには大人も子どもも慌てたり、混乱状態になってしまうことが予想されます。こういった状況を少しでも避けるためには、普段から避難訓練を徹底して行い、大人の役割分担をしっかり把握しておくようにすることです。避難訓練を通して、一人ひとりが災害に対する意識を改めて持てると良いですね。▼関連記事