LINE公式
閉じる

MENU

子どもへの声かけの言葉遣いを解説〜気をつけたいNGワードとは

NGと書かれた吹き出しのイメージ
保育をしていると「今の声かけはOKだった?」「もっと良い言葉があったのでは?」と感じることがあるのではないでしょうか。保育士として、子どもに与える影響を自覚しながら適切な言葉選びを行っていきたいですね。今回は、保育現場で気をつけたい子どもへの言葉遣いについて解説していきます。

子どもへの声かけの重要性

遊んでいる子どもたちを見守る保育士
保育士は、子どもたちにとっての人的環境です。子どもに声かけをする時は、専門性を持って適切な言葉を選びたいですね。

まずは、子どもへの声かけが重要な理由を3つ紹介します。

子どもの自己肯定感を育むため

自己肯定感と書かれたハートマークのイメージ
乳幼児期は、自己肯定感を育む大切な時期です。周囲の人から肯定的な言葉をかけられる機会が多ければ、「自分は大切に思われている」と感じることができるでしょう。

逆に否定的な言葉を受け取る機会が多ければ、「自分はダメな人間だ」「価値がない」と感じてしまいます。

保育士は、子どもの自己肯定感が高まるような言葉かけを意識していきたいですね。

子どもの見本となるため

園児と挨拶をする保育士
子どもは身近な人の言葉を真似て成長します。新しく覚えた言葉を「使ってみたい」と感じるのは、子どもにとって自然なことなのです。

保育士は、子どもの見本となる存在です。子どもが真似しても恥ずかしくない言葉を使うように心がけたいですね。

保護者との信頼関係を構築するため

言葉遣いから保育士の人間性を感じ取る保護者も少なくありません。保護者との信頼関係を築くためにも、言葉の選択には十分気をつけましょう。

家庭で「そんな言葉、誰が使ってたの?」「先生が言ってた!」なんてことにならないよう、保護者対応の時だけでなく、普段の保育から適切な言葉遣いを意識したいですね。

子どもに対して避けたい言葉遣い

適切な声かけは保育士にとって大事な仕事の1つです。何気なく発した言葉で子どもを傷つけることがないように気をつけたいですね。

ここからは、子どもに声をかける上で避けたい言葉について解説します。

命令する言葉

大人に命令されている子どものイメージ
「命令」は、保育士の意志で子どもを動かそうとする言葉です。子どもの主体性を尊重する昨今の保育では、「並びなさい」「早くして」「片付けて」というような命令形の言葉はそぐいません。一斉の保育活動を行う際にはつい言ってしまいがちなので、特に気をつけたいですね。

ただし、子どもが危険な行動をしている時や災害時など、命に関わる場面では命令が必要な場合もあります。その点は普段から意識するようにしておきましょう。

否定的な言葉

「ダメな子」「嫌な子」「できない子」など、子ども自身を否定する言葉は子どもの自尊心を傷つけるので、使わないようにしましょう。

また、「〜しないよ」「〜したらダメだよ」というような行動の制止でも人格を否定されたように感じてしまう子も。伝え方には十分な配慮が必要です。

比較する言葉

3つ並んだドングリのイメージ
他者と比較する言葉を使わないようにしましょう。

「Aちゃんはできるのに」と言われれば、「自分はダメなんだ」と感じてしまいます。逆に
「Aちゃんはできないのに、すごいね」と言われて、「自分はAちゃんより優れている」と思うことにも弊害があります。他者との比較でしか自分を認められない人生は、辛く苦しいものです。

脅す言葉

「Aしないと、Bできないよ」といった言葉は、「脅し」になるので気をつけましょう。

行動を促すつもりでかけた言葉でも、保育士が主導権を握る強制的な言葉になってしまいます。この声かけが続くと、保育士への不信感や反発心が増してしまう可能性があります。

感情的な言葉

泣いている女の子
子どもと関わる上で、カッとなったり、イライラしたりすることもあります。その時に「〜してって言ったでしょ?」「なんで〜しないの?」と、保育士の主張を通そうとする言葉を出さないように気をつけましょう。

保育士は保育士資格を持つ専門職です。感情的になってしまった時こそ、冷静に言葉を選べるような心構えが必要です。

子どもにとって良い言葉遣い

それでは、保育現場に適した「良い言葉遣い」とはどのようなものなのでしょうか。1つずつ確認してみましょう。

子どもの理解力に合わせた言葉

首をかしげている女の子
難しい言葉で言っても子どもには伝わりません。目の前にいる子どもの発達に合わせた言葉で伝えることが大切です。

子どもたちの表情をよく見て、理解していないと感じたら、易しい言葉に言い換える対応が求められます。

子どもの行動を認める言葉

「〜できたね」「〜したんだね」と子どもの行動を言葉で表現すると、子どもは「認めてもらえた」と感じ、自信を持つことに繋がっていきます。

この時に「すごいね」「上手だね」と、過度に褒める必要はありません。ありのままの姿を「認める」言葉かけを意識しましょう。

子どもの気持ちを受け止める言葉

子供の話を聞いている保育士
集団生活では、自分の思い通りにいかない経験もたくさんします。そのような時には、「〜したかったんだね」「〜だと思ったんだね」と子どもの気持ちを言語化しましょう。

悲しかったり、悔しかったりする気持ちを「わかってもらえた」と感じることが大切です。

先を見通せる言葉

保育園では、子どもを次の活動に促す場合があります。その時に「時計の針が◯までにお片付けできるかな?」「手を洗って、ご飯を食べようか」など、先の見通しが立つような言葉をかけると、子どもが主体的に行動するきっかけとなります。

次に期待を持てる言葉

保育施設では「もっと遊びたい」と思っても、終わりにしなければならないタイミングがやってきます。そんな時には子どもの遊びたい気持ちを受けとめた上で「また今度遊ぼうね」「明日、続きをしよう」と、次に期待を持てる言葉をかけたいですね。

声かけをする上で必要な心がけ

園児に話しかける保育士
保育士に必要なのは、「子どもを一人の人間として対等に見る」という意識です。相手が大人だったら、命令をしたり、感情的に自分の気持ちをぶつけたりしないですよね。目の前にいるのが子どもであっても同じです。相手の気持ちを想像しながら言葉を選びましょう。

また、いろいろなことを意識して声かけをすると「何も言えなくなってしまう」という新人保育士も。そんな時は、保育士自身の感情や気持ちを子どもに伝えることも大切です。「先生、すごく悲しい気持ちだよ」「先生は〇〇だと思う」と、主語を自分にして伝えるよう心がけてみましょう。

 適切な声かけができる保育士になろう

言葉の選び方や言い方には、人それぞれの「くせ」があります。意外と本人は気がつかない場合も多いので、「その言い方はちょっと…」と思う時は、保育士同士で声を掛け合うことも大切です。

「くせ」に気がついたら、直すことができます。専門職として、相手に配慮した言葉を選択できるように心がけましょう。繰り返していけば、その言い方が新たな「くせ」となり、適切な声かけが自然とできるようになりますよ。

子どもへの声かけで悩んでいる方は、参考にしてみてください。

【関連記事】
ほいくisメンバー登録はこちらから
佐野きこ(さの きこ)

この記事を書いた人

佐野きこ(さの きこ)

現役保育士。
現在は子どもだけでなく、保育士や保護者など、子どもに関わる人をサポートする仕事がメイン。子どもも保護者も保育士も、みんなが笑顔になれる保育を目指している。
座右の銘は「保育士は、保育のプロである」
保育の専門家として、わかりやすく保育を語れるよう奮闘中。
家庭では、2人の息子のお母さん。

関連タグ
3分でわかる保育知識関連記事

続きを読む

ほいくisメンバーに登録(無料)