保育のポイント【4歳児・6月】
梅雨が始まるこの時期は、なかなか外で活動できずに子どもたちもストレスを抱えてしまいがちです。4歳頃になると身体機能も高くなり始めるので、体操やサーキット運動など、室内でできる範囲でなるべく身体を動かせるような活動をしましょう。また自然現象に疑問を抱いたり、生き物や植物のいのちについて考えたりと、身の回りのさまざまのことへの関心が高まります。遊びを通して学びの機会を設けられると良いですね。
ねらい【4歳児・6月】
- 全身を使った運動で、身体を動かすことの気持ち良さを味わう。
- 自分の健康状態に気付き、対応しようとする。
- 他児の行動や発言に興味を持ち、一緒に遊ぶ楽しさを感じる。
- 年下の子の世話をして思いやりを育む。
- 梅雨の時期の自然を楽しむ。
- 野菜栽培を通してさまざまなもののいのちに触れる。
- 他国の言語に興味を持ち、調べようとする。
- 身の回りにある廃材を利用した遊びを楽しむ。
内容/五領域対応【4歳児・6月】
- 体操やサーキット運動をして、室内でも身体を動かし適度に汗をかく。(健康)
- 気温が上がって汗をかいたり、喉が乾いたりする自分の状態に気付き、衣類で調整したり水分補給をして健康を保とうとする。(健康)
- 他児の話を熱心に聴いて自分の考えを話したり、他児の遊びに興味を示して協力して遊んだりすることを楽しむ。(人間関係)
- 年下の子の着替えの手伝いや寝かしつけなどを手伝い、愛情や思いやりを持って接することの大切さを感じる。(人間関係)
- 梅雨の時期に見られる生き物や草木などの自然を見つけて観察する。(環境)
- 育てているピーマンやトマトを観察して、野菜も水や栄養を採って成長することや、成長過程の変化に気付く。(環境)
- 自分が住んでいる国以外にもたくさんの国があることを知り、図鑑を使って調べながら簡単な挨拶などの言葉を覚える。(環境・言葉)
- 段ボールや牛乳パック、お菓子の空き箱などを使って製作をしたり、見立て遊びに取り入れたりして新たな遊び方を見つける。(表現・環境)
※「内容」については、例文の最後に保育所保育指針にある五領域のどれに対応しているか表示をしています。 ・健康(心身の健康に関する領域) ・人間関係(人とのかかわりに関する領域) ・環境(身近な環境とのかかわりに関する領域) ・言葉(言葉の獲得に関する領域) ・表現(感性と表現に関する領域) |
内容/養護【4歳児・6月】
- 天気や気温、活動内容に合わせて自ら衣服の調整や水分補給などができるように、声かけや促しをする。
- 園での生活リズムを自分で調整できるよう、身支度や水道の使い方、トイレ、手洗い・うがいのやり方を一緒に確認する。
- 歯磨きや自分の歯の健康について関心を持つことができるよう、「歯と口の健康週間」に合わせた活動をする。
- 安心して思ったことや感じたことを伝えられるよう、一人ひとりの気持ちを受け止めたかかわりをする。
環境構成・保育者の配慮【4歳児・6月】
- マットやフープなどを使い、室内でできるサーキット運動コーナーを作る。
- タオルや着替え、水分補給用のコップを個々のロッカーに用意する。
- 子ども同士の関わり方や会話を大切に、保育者は見守る。
- 他クラスの保育者と協力して、年下のクラスと関わる時間を作る。
- 天気の良い日は外に出て自然と触れる機会を作る。また事前に梅雨の時期の自然について調べられるよう、季節の絵本や図鑑を増やす。
- できる限り野菜の様子を観察できる時間を毎日設け、水やりなどを子どもたちに行ってもらう。
- 国旗の絵本やさまざまな国の言葉での挨拶が載った図鑑を用意する。
- 廃材は子どもたちが自分の発想で好きに使えるように、保育室内に「廃材利用コーナー」を作る。
予測される子どもの姿【4歳児・6月】
- 雨の日が増えて外に出られず、ストレスになったり午睡時間になっても寝付けなかったりすることがある。
- 汗をかいたり衣類が汚れたりすると自主的に着替えようとする。
- 他児と意見の食い違いが起こるとトラブルになることもある一方で、お互いに折り合いをつけながら相手の意見を受け止めようとする姿も見られる。
- 年下の子どもと関わるときには、優しく声かけをしたり手伝ったりと思いやりを持って接する姿が見られる。
- 生き物を捕まえて観察したり、花の名前を調べたりしながら、自然遊びを楽しむ。
- 野菜の葉や実の色、形、大きさなどに興味を示して、他のものと比べたり違いをおもしろがったりする。
- 他国の挨拶や国旗のイラストをきっかけに、さまざまな国について知りたがり調べようとする。
- 廃材を利用して子どもたちで協力して製作を楽しむ。
前月の子どもの姿【4歳児・6月】
- 4歳児クラスになって自立心がより強くなり、基本的なことはすべて自分でやる姿が多く見られた。友だちのことを手伝ったり、困っている子を助けたりする様子もあり、思いやりの心が育まれていると感じた。
- 身の回りのさまざまな現象に興味を持っているので、梅雨の時期は雨や雷などの自然現象について話したい。
職員間の連携【4歳児・6月】
- 梅雨期に流行しやすい感染症について共通理解し、適切な対応ができるよう話し合っておく。
- 歯科検診や健康診断を受ける順番や時間を決めておき、当日スムーズに進められるようにする。
家庭や地域との連携【4歳児・6月】
- 急な気温の変化があったり、湿度が高く蒸し暑い日が出てきたりするため、タオルの持参や着替えの用意をお願いする。
- 子ども同士の関わりの様子や会話の内容を保育ドキュメンテーションで掲示する。
健康や安全【4歳児・6月】
- 衣類の着脱による体温調整や水分補給、除菌や換気などをして健康に過ごせる環境を作る。
- 雨の日の道の歩き方や危険などを学ぶ。
食育【4歳児・6月】
- 会話を楽しみながらみんなで食事をする楽しさを感じる。
- 野菜栽培を通して、植物の成長に興味を持つ。
長時間保育の配慮【4歳児・6月】
- 身の回りのことについて、できるようになったことや自分から取り組む姿を褒めるようにする。
- 異年齢児が一緒に過ごすため、怪我や危険がないように注意して見守っていく。
今月の行事【4歳児・6月】
- 身体測定
- 避難訓練
- お誕生日会
- 歯科健診
- ファミリーデー(父の日)
今月の遊び【4歳児・6月】
園生活も慣れてくるこの時期には、遊びを繰り返し楽しみ、室内でも動きのある遊びを取り入れるのがおすすめです。- おしり鬼ごっこ
- ボール運びゲーム
- カードめくり競争
- 風船パタパタゲーム
- かみなりゲーム
今月の歌・手遊び歌・体操【4歳児・6月】
6月の歌
- あめふりくまのこ
- ちいさなせかい
- あめふり
- にじのむこうに
- グリーングリーン
6月の手遊び歌
- でんでんむしどこだ
- 1ぴきのカエル
- あまだれぽったん
- てんきよほう
- ねずみの前歯
6月の体操・ダンス
- かえるのたいそう
- おたまじゃくしのたいそう1・2!
- だんごむしたいそう
今月のおすすめ絵本【4歳児・6月】
- すてきなあまやどり
- おじさんのかさ
- あめじょあじょあ
- どしゃぶり
自己評価【4歳児・6月】
5月は大型連休を挟んだ園もあり、子どもたちの体調も不安定になりがちな月でしたよね。日々の子どもたちの様子をしっかりと見て、落ち着いたペースで保育を進められていたかどうか振り返ってみましょう。少しずつ暖かくなってきたタイミングでもあったので、気候に合わせて遊びを取り入れられたかどうかもポイントです。
2024年度版フォーマットのダウンロード【4歳児・6月】
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自分の言葉で作る意識を
参考文例をお届けしましたが、あくまで指導計画は自分の言葉で作ることが大切です。一つひとつの事例を参考にしながら、少しずつ自分の考えを入れていくよう工夫しましょう。【関連記事】