7月の保育のポイント
4、5歳頃になると、プール遊びや戸外遊び、製作など、さまざまな場面で発想力が発揮されて大人が驚くような考えを見せてくれることも多いですよね。遊びの材料がたくさんの夏の時期は、そんな発想を大切にする活動を取り入れてみましょう。また見通しを持った行動ができるようになってくるので、子どもたちに任せて生活を見守ってみてもいいですね。
ねらい
- 自分で体温調節をしながら健康に過ごす。
- 見通しを持って生活をする。
- 他児と意見を伝え合い、活動を進めようとする。
- 自分たちで考えてルールを作り、遊びを発展させていく。
- 夏ならではの活動を楽しむ。
- 季節の行事に関心を持ち、親しみを持つ。
- 絵本の話を自分の体験と重ねて楽しむ。
- 製作の中におもしろい技法を取り入れて表現する。
内容(五領域対応)
- 汗をかいたら拭きとる、衣類の着脱をする、水分補給をするなどして自分の健康を保とうとする。(健康)
- 手洗いや着替え、給食の配膳など、次にやるべきことを自分で考え積極的に行動する。(健康)
- 水遊びから生まれた「水の図鑑作り」で、自分で考えたことを伝え合ったり、他児の意見を聴いて取り入れたりしながら活動を進める。(人間関係・環境・言葉)
- 「お店屋さんごっこ」の中で、物を買う個数やレジの並び方など自分たちでルールを作り、みんなで楽しめる工夫をしながら遊ぶ。(人間関係・環境)
- プール活動を通して、変化する水の温度や使うものによって異なる感触などに興味を持ち観察する。(環境)
- 七夕会を通して伝統文化や行事の意味を知ったり、行事食を楽しんだりする。(環境)
- 友だちや家族などをテーマにした絵本を読み、想像したり自分の体験と重ねて保育者に話したりする。(言葉)
- はじき絵の技法を使って、魚やかき氷などを表現した夏の製作を楽しむ。(表現)
・健康(心身の健康に関する領域)
・人間関係(人とのかかわりに関する領域)
・環境(身近な環境とのかかわりに関する領域)
・言葉(言葉の獲得に関する領域)
・表現(感性と表現に関する領域)
内容(養護)
- 天候や気温に合わせて自分で衣服の調整や水分補給などができるように、声かけや促しをする。
- クラスのお友だちと一緒に思い切り遊べるよう、安心して活動できる環境を整える。
- 熱中症や夏に流行しやすい感染症による体調の変化を見逃さないよう、視診や必要に応じた検温を実施する。
- プール活動での水着への着替えや片付けなど、自分でやりたい気持ちを大切にしながら見守り、必要に応じて手伝う。
環境構成・保育者の配慮
- 自分の意思ですぐに行動できるよう、ロッカーにタオルや水分補給用のコップを用意する。
- 生活の流れをイラストやひらがなで書いたポスターを保育室内に掲示する。
- 子どもが主体的にさまざまな性質の水に触れられるよう、お皿や袋、絵の具などを用意する。
- 子どもが興味を持っているお店や場所に関する絵本や図鑑を絵本棚に置き、いつでも調べられるようにする。
- 水の感触を楽しめるよう、じょうろやさまざまな形の水鉄砲、袋などを用意しておく。
- 七夕に関するお話をしたり、笹、短冊、行事食などを用意したりする。
- 子どもたちが想像しやすいテーマの絵本を用意する。
- はじき絵を楽しむために、絵の具やクレヨン、画用紙、汚れ防止用の新聞紙を準備する。
予測される子どもの姿
- 保育者に言われなくても、自分のタイミングで汗を拭きとったり水分補給をしたりする。
- 「次は給食だね」「プールの前にトイレに行こう」など、自分で考えて行動をする。
- 使用する器具によって水の感触が違うことに気付き、さまざまなものを試して結果を画用紙に書き、オリジナル図鑑を作る。
- 自分が体験したお店の様子を伝え合い、取り入れながらイメージを共有して遊ぶ。
- 「水がぷにぷにする!」「くすぐったい」など、さまざまな水の感触を体験して感想を伝え合う。
- 七夕の話を聴き、みんなで短冊を作ってお願い事を書いたり、園の笹に飾ろうと提案をしたりする。
- 友だちや家族、生き物など、身近なものをテーマにした絵本を好む。
- はじき絵の不思議な現象を楽しみ、思い思いの製作を楽しむ。
前月の子どもの姿
- 梅雨に入り、雨の日が多かったため室内でサーキット運動をして身体を動かすことが多かった。全身をうまく使って運動することができており、身体機能が高くなっていることが伺えた。
- 年下の子の世話を進んでする姿が見られ、愛情をもって接している様子がさまざまな場面で見られた。
家庭や地域との連携
- プールが始まるが、昨年に引き続き感染症対策を行いながらの活動となるため、保護者に共有し協力をお願いする。
- 感染症予防のため、自宅でも手洗い・うがいの習慣をつけられるよう協力する。
健康や安全
- こまめに水分補給を行い、熱中症対策をする。
- プール活動の際は熱中症対策や事故防止対策だけでなく、クラスを半分に分けて活動をするなどして、感染症対策のための密集を避ける取り組みを行う。
食育
- 園で育てた野菜を食べて、食物にも命があることを知り感謝の気持ちを育む。
- 夏の旬の食材を取り入れた給食を食べて、さまざまな食感や味を楽しむ。
7月の行事
- 身体測定
- 避難訓練
- 七夕会
- プール活動
- お誕生日会
7月の遊び
夏ならではの遊びを通して、友だちとの関わりを深める遊びのがおすすめです。- お水運びゲーム
- 水遊び・プール遊び
- 水鉄砲で!的当てゲーム
- かみなりゲーム
- プラネタリウムづくり
7月の歌・手遊び歌・体操
7月の歌
- アイスクリームのうた
- ぼくのミックスジュース
- 南の島のハメハメハ大王
- たなばたさま
- なつはとってもすてきだな
7月の手遊び歌
- 大阪うまいもんのうた
- いっちょうめのどらねこ
- アイスクリームをつくろう!
- 朝顔こりゃこりゃ
7月の体操
- アブラハムの子
- おさかな天国
- 東京音頭
7月のおすすめ絵本
- およげないさかな
- たなばたプールびらき
- わにわにのおでかけ
- ばけばけばけばけばけたくん おまつりの巻
自己評価
6月は梅雨に入り、室内遊びの機会も増えたのではないでしょうか。子どもたちも雨で外に出られない日が続くと、ストレスが溜まります。そのときの体調の変化をしっかりと察知したり、室内でも身体を動かせる遊びを取り入れたりできたかどうかを振り返ってみましょう。日々子どもたちの体調の変化を見落とさないことも、保育者の大切な役割のひとつですね。2023年度版フォーマットのダウンロード
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まとめ
参考文例をお届けしましたが、あくまで指導計画は自分の言葉で作ることが大切です。一つひとつの事例を参考にしながら、少しずつ自分の考えを入れていくよう工夫しましょう。【関連記事】
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