5月の保育のポイント
3歳児クラスになると、長期休暇明けでも比較的スムーズに園生活のリズムを取り戻すことができるようになってきます。しかし慣れないときには無理をせず、ゆっくりと活動をしていきましょう。自然現象や社会のルールなど、さまざまなことへの興味・関心が高まってきます。春の自然だけでなく、交通マナーや公共の場での振る舞いなど、社会の一員としての意識が持てるようなサポートをしていきましょう。ねらい
- 自分の力で身の回りのことを行おうとする。
- ジャンプしたり走ったりしながら、身体を動かす心地よさを感じる。
- 好きな友だちや保育者と関わりながら楽しく過ごす。
- 交通マナーや集団生活でのルールを知り、実践しようとする。
- 「こどもの日」について学び、伝統文化に親しみを持つ。
- 身近な食材に興味を持つ。
- 自分の言葉で気持ちを伝えようとする。
- 花や葉っぱを使って製作を行う。
内容(五領域対応)
- 絵本や年上の子の姿を参考にしながら、着替えや歯みがきなどに興味を持ち自分でやろうとする。(健康)
- 縄跳びやボール遊び、鬼ごっこなどをして全身を使った遊びを楽しむ。(健康)
- 気の合う友だちと同じ遊びを楽しむことで、思いやりの心や共感性を育てる。(人間関係)
- 散歩に行くときの交通マナーや、みんなで使う玩具、遊具の使い方について保育者と一緒に考える。(人間関係・環境)
- 「こどもの日」の由来について描かれた絵本を読んで、伝統文化についての知識を深める。(環境)
- ピーマンやきゅうり、トマトなどの苗植えを行い、実際に食材ができる過程を見られるようにする。(環境)
- 保育者に気持ちを受け止めてもらうことで、安心して感情を表現する。(言葉・人間関係)
- 公園や道中で見つけた花や葉っぱなどを持ち帰り、画用紙に貼ったりなかまわけをしたりして遊びに取り入れる。(環境・表現)
・健康(心身の健康に関する領域)
・人間関係(人とのかかわりに関する領域)
・環境(身近な環境とのかかわりに関する領域)
・言葉(言葉の獲得に関する領域)
・表現(感性と表現に関する領域)
内容(養護)
- 安心した気持ちで過ごせるよう、一人ひとりの気持ちに共感し受け止めるようにする。
- 慣れてきた園での生活リズムが継続できるように、身支度や水道の使い方、トイレ、手洗い・うがいのやり方を一緒に確認する。
- 自分でやりたい気持ちを大切にしながら、衣服の着脱を見守ったり手伝ったりする。
- 汗や皮膚の状態の観察など、視診を通して一人ひとりの健康状態を把握する。
環境構成・保育者の配慮
- 年中、年長クラスの子どもたちと関わる機会を作り、生活の手本を作る。
- 密にならないように注意しながら、できるだけ園庭や公園で身体を動かす。
- おもちゃの取り合いが起きたときは、子どもたち自身で解決できるよう見守る。必要に応じて仲裁をし、解決策を子どもたちが見つけられるようにする。
- 散歩の際は子どもが興味のある方向へ飛び出さないよう、普段から交通マナーをしっかり伝える。
- 行事に関連する絵本や歌、手遊びを用意する。
- 植物に水やりをする際は、取り合いにならないように当番制にしてみんなが植物に触れられる機会を作る。
- 子どもと話すときは目線を合わせて目を見たり、しっかりと相槌を打ったりする。
- 集めた花や葉っぱを持ち帰れるように、牛乳パックで作ったお散歩バッグを持参する。
予測される子どもの姿
- 年中クラスや年長クラスの子どもたちを見て真似をしながら、自分の力で身の回りのことをやる。
- 全身が強くなり、動きが活発になる一方で、遊具やおもちゃの使い方に危険な場面も見られる。
- 同じ遊びをすることで、おもちゃの取り合いが起こることがある。
- 学んだマナーやルールを友だち同士で伝え合い、守ろうとする姿が見られる。
- こいのぼり、かぶと、ちまきなど、「こどもの日」に関連するものに興味を持ち知りたがる。
- 植物の色や形に興味を示し、成長を楽しみにする姿が見られる。
- 自分の感情を少しずつ言葉で伝えられるようになる反面、他児とのトラブルも増える。
- 同じ色の花を集める子、大きな葉っぱを集める子など、個々にこだわりを持って素材集めを楽しむ。
前月の子どもの姿
- 幼児クラスに進級し、身の回りのことを自分だけの力でできることが増えた。保育者の手伝いを拒んで最後までやり遂げようとする様子が多かった。
- 自然の様子に興味を強く持ち、色や形、においなどを五感で楽しんでいた。図鑑で調べたり、集めて観察したりする様子も見られた。
家庭や地域との連携
- お散歩マップを貼りだし、普段どこに出かけているのか保護者に分かるようにする。
- ドキュメンテーションを作成し、より具体的に子どもたちの様子が伝わるように工夫する。
健康や安全
- 感染症予防のため、手洗い・うがいを徹底する。
- 暖かい日も増えるため、衣類の着脱などで体温調節に気をつける。
- 室内の換気や子どもたちが触れる場所の除菌などを行い、健康に過ごせるようにする。
食育
- 野菜栽培を通して、食材ができる過程を知る。
- さまざまな食材に触れ、食感やにおい、固さなどを学ぶ。
- 個々の進み具合に合わせて箸を使っていく。
5月の行事
- こどもの日
- 身体測定
- 避難訓練
- お誕生日会
- 遠足
- 保護者会
5月の遊び
安定した生活リズムの中で、いろいろなことに興味が持てるよう、保育者や友だちと一緒に戸外で身体を動かす遊びがおすすめです。- ねことねずみ
- もうじゅうがり(猛獣狩り)
- 流れ星のキャッチボール
- だるまさんがころんだ
- バナナ鬼/バナナおに
5月の歌・手遊び歌・体操
5月の歌
- こいのぼり
- さんぽ
- 春の小川
- 公園にいきましょう
5月の手遊び歌
- はじまるよ
- パン屋さんにおかいもの
- たけのこはえた
- わにのかぞく
5月の体操
- えがおのまほう
- ケボーンダンス
- えんとつ町のプペル
5月のおすすめ絵本
- ぐりとぐらのおおそうじ
- げんきにおよげこいのぼり
- はみがきれっしゃ
- あらいくん
自己評価
すでに園生活には慣れている子でも、大型連休を挟むと体調を崩しやすかったり、生活リズムが乱れていたりすることがあります。子どもたち一人ひとりの体調をしっかりと考慮して活動ができたか振り返ってみましょう。また、5月は「こどもの日」があり、伝統文化に触れる良い機会です。ただ楽しむだけでなく、子どもたちが興味を持って文化に関われるような工夫ができたかどうかもチェックポイントですね。2023年度版フォーマットのダウンロード
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まとめ
参考文例をお届けしましたが、あくまで指導計画は自分の言葉で作ることが大切です。一つひとつの事例を参考にしながら、少しずつ自分の考えを入れていくよう工夫しましょう。
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