8月の保育のポイント
4歳児クラスになると、感染症や熱中症などの健康に関する学びを簡単に理解し、深めていける時期ではないでしょうか。自分の健康管理を自分でできるようになるためにも、保育者と一緒に学んでみるのもおすすめです。また存分に遊ぶことだけでなく、休憩することの大切さも感じられるといいですね。この時期だからこその健康管理のポイントを伝えていきましょう。
ねらい
- 保健や衛生面に留意して、健康に夏を過ごす。
- 気温に合わせて室内でゆっくり過ごし、時には休憩を取ることの大切さを知る。
- 他児と関わりながら夏の遊びを楽しむ。
- 異年齢児に興味を持ち、積極的に関わろうとする。
- 運動会の準備を通して、行事を楽しむ。
- プール活動をして水に親しむ。
- 保育者との関わりの中でさまざまな言葉を覚え、使う場面が分かる。
- 感触遊びを楽しみ、五感を刺激する。
内容(五領域対応)
- 夏に流行りやすい感染症や熱中症の症状、予防法を簡単に知り、自ら手洗いやうがいをして健康に過ごせる環境を作ろうとする。(健康)
- 気温が高い日や疲れている日は室内で過ごしたり、自分が落ち着ける場所でゆっくりしたりするなど休憩を取り入れることで、毎日をより健康に過ごせるようにする。(健康・環境)
- 木の高いところにいる虫を捕るためにはどうすれば良いか考え、他児と協力して試行錯誤しながら虫捕りを楽しむ。(環境・人間関係)
- 自分より年下の子どもに興味を示し、着替えや寝かしつけを手伝ったり一緒に遊んだりして愛情を持った関わりを増やす。(人間関係)
- 運動会でやりたい種目や、どのように進行するのかを子どもたちで話し合い、意見を出し合いながら決めていく。(人間関係・言葉)
- プールで泳いだり、宝石探しゲームをしたりして水に触れることを楽しむ。(環境)
- 挨拶や感情を表す言葉を覚え、さらに言葉の意味と使う場面が分かり正しく使おうとする。(言葉)
- 木工用接着剤と塩を使ったソルトペインティングを行い、塩ならではの感触を感じながら楽しむ。(表現・環境)
・健康(心身の健康に関する領域)
・人間関係(人とのかかわりに関する領域)
・環境(身近な環境とのかかわりに関する領域)
・言葉(言葉の獲得に関する領域)
・表現(感性と表現に関する領域)
内容(養護)
- プール活動の後は、体力回復のために十分な休憩をとれるようにする。
- 熱中症予防のため、こまめな水分補給を自ら行う意識付けを行うと共に実行を促す。
- 子どもが興味を持ったことに安心して取り組めるよう、気持ちを尊重した応答的な声かけを行う。
- 休み明けの子に対しては、園での生活リズムを思い出せるよう身支度や水道の使い方、トイレ、手洗い・うがいのやり方を一緒に確認する。
環境構成・保育者の配慮
- 感染症や熱中症について話す機会や、絵本などを通して子どもたちと一緒に学ぶ場を設ける。
- 絵本コーナーや室内の隅など、少し離れた場所にゆったりと過ごせる場所を作り、遊びの中で自分の体調に合わせて使えるようにする。
- 夏の遊びを楽しめるよう、虫捕り網やカゴなどを用意する。また昆虫図鑑なども用意し、特徴やエサなどを子ども自身で調べられるようにする。
- 縦割り保育の時間を作り、年下の子どもたちと接する機会を設ける。
- 運動会について話し合う時間を設ける。
- 子どもたちが安全にプール活動を楽しめるよう、保育者は監視役と指導役に分かれて担当業務を徹底して行う。
- ソルトペインティングで塩が散らばることがあるので、ブルーシートを敷いて片付けがスムーズにいくようにする。
- 保育者と子どもの会話や、子ども同士の会話の中で正しい言葉の使い方について教える、調べる、考えるなどしていく。
予測される子どもの姿
- 保護者や保育者の話、テレビなどでも感染症の話を耳にしていることから、詳しい危険性などは分からなくても対策をしようという気持ちが芽生える。
- 疲れたときやひとりで遊びたいとき、何か嫌なことがあったときなど、少し離れた場所で静かに遊び休憩する姿が見られる。
- 夏にしか見られない虫に興味を示し、友だちと一緒になって図鑑を使って熱心に生態を調べる。
- 年下の子の世話をすることで自信がつき、自分の身の回りのことも積極的にやろうとする。
- 普段の遊びから考えた競技を提案したり、他児の意見に自分の考えを伝えたり積極的に話し合う姿が見られる。
- 水に慣れてきて、顔をつけたり少しだけ潜ってみたりと、水に親しむ姿が増える。
- 塩で絵が描けることに驚きながら、なぜ絵が描けるのか話したり新しいアイデアを考えたりしながら楽しむ。
- 大人が使う言葉に興味を持ち、意味を聞いたり真似をしたりしながら言葉を覚えていく。
前月の子どもの姿
- 生活に見通しを持つことができるようになり、次の活動のことを考えて行動できるようになってきた。保育者の声かけがなくても子ども同士で話して行動する場面もあり、自立した姿も見られた。
- はじき絵を楽しみ、特殊な技法を使った製作を特に気に入っていた様子だった。他の技法も試したいという声が挙がっているため、今月はソルトペインティングを取り入れる。
家庭や地域との連携
- クラスだよりや保健だよりを通して園での活動の様子や熱中症対策などについて知らせる。
- 今子どもたちが興味を持っていることを、ドキュメンテーションを活用して知らせ、家庭でも話題にしたり考えたりできるようにする。
健康や安全
- 活動を行うときは、園外に限らず室内でも室温などに気をつけながら適度に水分補給や休憩をとる。
- プール時の事故、虫刺され、遊具による火傷など、夏ならではの危険について確認し注意をする。
食育
- 食材が出来上がるまでに、農家を始めとするたくさんの人々が関わっていることや大事ないのちをいただいていることを知り、感謝の気持ちを育む。
8月の行事
- 身体測定
- 避難訓練
- お誕生日会
8月の遊び
夏ならではのプール遊びや泥遊びなどを通して、ダイナミックに身体を動かす遊びがおすすめです。- 水遊び・プール遊び
- 砂遊び・泥んこ遊び
- 転がしドッジボール
- バナナ鬼
- お水運びリレー
8月の歌・手遊び歌・体操
8月の歌
- おばけなんてないさ
- かもめの水兵さん
- てのひらをたいように
- ひょっこりひょうたん島
8月の手遊び歌
- すいかのめいさんち
- カレーライスのうた
- イカイカスイカ
- たこやき
8月の体操
- oh!oh!オトッペ
- しまじろうおんど!
- おばけのばけちゃま
- ベイビーシャーク
8月のおすすめ絵本
- なつのいちにち
- トマトさん
- ぐりとぐらのかいすいよく
- よーいどん!
自己評価
7月は、プールや水遊びの活動で子どもたちが伸び伸びと過ごす姿が見られたのではないでしょうか。まずは安全な運用ができていたかの振り返りはきちんと押さえておきましょう。未満児では「水に慣れる」「感触を楽しむ」ことができたか? 年長クラスでは「準備と後片付けができたか?」「ルールを守って遊べたか?」など、各クラスでねらい通りの活動ができたかについてチェックしてみてくださいね。
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まとめ
参考文例をお届けしましたが、あくまで指導計画は自分の言葉で作ることが大切です。一つひとつの事例を参考にしながら、少しずつ自分の考えを入れていくよう工夫しましょう。【関連記事】
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