今月のポイント
進級した頃はまだ幼かった子どもたちも、すっかり自立した生活が身に着いて頼もしくなったのではないでしょうか。引き続きお友だちとの関係性を深め、言葉で伝え合ったり相手を思いやった行動をしたりする場面を増やしていきましょう。ねらい
- 自立して身の回りのことができるようになる。
- 進級に向けて期待を持って生活をする。
- 感謝の気持ちを持ち、相手に伝える。
- 優しさや思いやりの気持ちを持って他児に接する。
- ひな祭りの由来を理解して行事に親しむ。
- 春の自然を探し、季節の変化を感じる。
- ひらがなで自分の名前が書けるようになる。
- さまざまな素材に触れ、感触の違いを楽しむ。
内容
- 生活の流れが身に着き、着替えや排せつ、片付けを次のことを予測して行う。(健康)
- 年上クラスの子どもたちを見て憧れ真似をしながら、自分でできることが増えたことに自信を持つ。(健康・人間関係)
- 年長クラスのお兄さん・お姉さんが卒園することを理解して、プレゼント製作を行う。(人間関係・表現)
- 相手がどう感じるか自分なりに考え、思いやりを持った言葉かけをする。(人間関係)
- 絵本でひな祭りの由来や行事食の意味を学び、他児や保育者と話し合う。(環境)
- 葉の色の変化や花のつぼみなどを見つけ、冬とは違った自然に触れる。(環境)
- ひらがな表やひらがな図鑑で音と文字を合わせて覚えながら、自分の名前を練習する。(言葉)
- さまざまな素材の葉っぱ、布、紙などに触れて違いを感じ、仲間分けをしたり製作に取り入れたりする。(表現・環境)
- 健康(心身の健康に関する領域)
- 人間関係(人とのかかわりに関する領域)
- 環境(身近な環境とのかかわりに関する領域)
- 言葉(言葉の獲得に関する領域)
- 表現(感性と表現に関する領域)
環境構成・保育者の配慮
- 生活のペースや流れは子どもによって異なるので、保育者は個々のやり方を尊重して見守る。
- 進級に向けてどんなことがしたいか、できるようになりたいかなどをクラスで話し合う。
- 卒園について話をしたり絵本を読んだりして、卒園がどのようなものなのか理解したうえでどんなプレゼントが良いか子どもたちと考える。
- 語彙も増えてきて子ども同士でのやり取りが活発になっているので、保育者は見守るようにする。
- 楽しみながら文化に触れられるように、ひな祭りに関連するもののペープサートを作る。
- 自然体験遊びができる公園に散歩に行く。
- ひとり1~2文字に分担して、子どもたちと一緒にオリジナルのひらがな表を作る。
- 戸外活動で集めた葉っぱを持ち帰るために、袋を持っていく。また製作用にさまざまな素材の用紙や布を用意しておく。
予測される子どもの姿
- 保育者の指示がなくても自分で考えて行動をするようになる。
- 「れんげ組になるから自分でやる」と、次のクラスを意識した発言や行動が見られる。
- 「ゆり組さんと会えなくなっちゃうの?」「さみしい」など卒園を理解して、寂しがる様子がある。
- 相手の様子を見て気持ちを汲み取ったり、「痛かった?ごめんね」など言葉にしたりして相手を思いやる。
- ペープサートや絵本でひな祭りの由来や行事食の名前を覚えたことをうれしく感じ、友だちや保育者に説明する姿が見られる。
- 「葉っぱが緑になってきたね」「お花咲きそうだね」と自然の変化に気付き、観察をする。
- 自分の名前を書けるようになりたい思いで何度もひらがなを書いて練習したり、保育者の書いた文字を上からなぞったりする。
- 「つるつる」「ざらざら」など、感じたことを言葉で表現して、感触の違いを楽しむ。
前月の子どもの姿
- 異年齢保育を通して、年下の子どもたちの手本になろうと積極的に行動する姿が見られた。基本的な生活習慣はほぼひとりでできるようになり、自信がついた様子もあった。
- ごっこ遊びが展開して自分たちでオリジナルのストーリーを作って遊ぶ姿が見られた。想像力が豊かで遊びの幅が広がっているようだった。
家庭や地域との連携
- 進級に向けて保護者との連絡を密に取り、不安や悩みに寄り添っていく。
- 生活の状況を写真の掲示や連絡帳を通して共有し、1年での成長を喜び合う。
健康や安全
- 気温に合わせた衣類の調節や活動内容の工夫をしながら、健康な環境で生活できるようにする。
食育
- 行事食の意味を知り、みんなで一緒にひな祭りランチを楽しむ。
- 旬の食材を使った給食を楽しむ。
今月の行事
- 身体測定
- 避難訓練
- ひな祭り会
- お別れ会
- 誕生日会
今月の歌・手遊び・体操
今月の歌
- さよならぼくたちのほいくえん
- 思い出のアルバム
- うれしいひなまつり
- 一年生になったら
- たいせつなともだち
今月の手遊び
- 大きくなったら何になる
- おおきくそだって
- ねこのこ
- ひなまつり
- けっこんしきをあげました
今月の体操
- ぼくらのパワー
- はるになれば
- おはようロックンロール
- ジンギスカン
- チュンチュンワールドおげんきたいそう
今月のおすすめ絵本
- おおきくなるっていうことは
- はるのやまはザワザワ
- しょうがっこうへいこう
- めざめのもりのいちだいじ
- たんぽぽはたんぽぽ
自己評価
今年度最後の1ヶ月を、子どもたちがのびのびと主体性を持って過ごせるようなサポートができたかどうかを振り返ってみましょう。特に5歳児クラスでは、進学に向けて不安を抱えている子や期待を持っている子など、個々に感情の差が見られます。進級を控えたその他のクラスでも同様、「それぞれの気持ちに寄り添った保育ができたか」を考えて自己評価をしてみてくださいね。ダウンロード
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PDF版の月案文例

まとめ
参考文例をお届けしましたが、あくまで指導計画は自分の言葉で作ることが大切です。一つひとつの事例を参考にしながら、少しずつ自分の考えを入れていくよう工夫しましょう。【関連記事】
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