腰痛で悩む保育士はどれくらいいる?
実際に腰痛に悩んでいる保育者は、いったいどれくらいいるのでしょうか? ほいくisが公式SNSで実施した保育者の身体の悩みに関するアンケート調査によると、「保育者ならではの体の悩みがある?」という問いに対して「ある」と回答した方は91.4%に上りました。
[ほいくis公式Instagram・Twitterアンケートで実施/調査時期2021年2月/有効回答数269件]
また、同時に実施した「保育者の職業病といえば! 一番辛い体の不調は?」という問いに対する結果では、1位の「腰痛(57.4%)」に続いて2位「肩こり(24.4%)」、3位「関節痛(ひざ・腕)(10.2%)」、4位「足のむくみ(8.0)」となりました。
[ほいくis公式Instagram・Twitterアンケートで実施/調査時期2021年2月/有効回答数352件]
実に現役の保育者の約6割が、腰痛の悩みを抱えながら仕事をしていることが分かります。それでは、なぜ保育士の皆さんは腰痛に悩まされているのでしょうか。
こんな姿勢が原因に
子どもと接するために低い姿勢になることで、腰痛になる方がとても多い保育のお仕事。私の場合は、寝返りが打てなくなったこともありました。では、実際の原因として多いものは何でしょうか?
おむつ替え・着替え
子どもたちのおむつ替えや、着替えの補助のときは、どうしても前かがみになったり、膝立ちの姿勢になるため腰を痛めやすくなります。子どもの目線に合わせようとすると、どうしても姿勢が低くなったり、猫背気味になるので腰痛の大きな原因に。その他にも、トイレ介助でも同じように低姿勢になりがちなので注意が必要ですね。
抱っこ
保育園の0歳児や1歳児など、低年齢児クラスでは特に子どもを抱っこする場面が多いですよね。抱きかかえる動作をするときは、ついつい前かがみ気味になることで腰回りに負担がかかります。かと言って「抱っこなし!」という訳にもいきません。しっかりと腰を落として背筋を伸ばし、膝を使って抱き上げるなど、なるべく腰に負荷がかからない姿勢で抱っこするよう工夫してみてください。
事務作業
実はこれも、腰に負担がかかる原因になります。中には、保育室にある子ども用の低い机で事務作業を行っているという保育士さんもいるのではないでしょうか?下を向いた状態で長時間書類を書いたり、製作をしていると腰の筋肉が凝り固まってしまいますよね。毎日の事務作業が積み重なって、気付くと腰を痛めていた…ということがあります。
私の場合は、子ども用の机に、さらに子ども用の椅子に座るというなんとも厳しい体勢を自らとっていました。今思うと、腰を痛めて当たり前の姿勢ですね(汗)。
日常的に対策を
忙しくてなかなかケアできない…。そんな保育士さんだからこそ、腰痛予防のためには日常的な心がけと対策が大切。さまざまな場面ごとに気をつけたいポイントを知っておきましょう。
中腰は危険!子どもの目線まで腰を落とす
中腰は腰痛の大きな原因になります。抱っこやおんぶ、着替え、トイレなど、さまざまな場面で子どもの目線まで腰をしっかりと落としてみましょう。下までしゃがみ込むことで、腰への負担が軽減されます。また抱っこをする際は、背中を丸めたり腰を折った体勢のまま立ち上がるのは危険。できるだけ子どもを自分自身の重心の位置に近付けて、ゆっくりと立ち上がるようにしましょう。このとき、横から見て背骨が真っすぐになるよう上半身を曲げずにキープすること。毎回このことを意識するだけでも効果的ですよ。
おむつ台を高くする
おむつ替えを床で行うと、どうしても姿勢が低くなりますよね。ベビーベッドや、高さのあるおむつ台を使っておむつ替えを行うのがおすすめです。なるべく保育士さんの腰の高さに合わせたものを選びましょう。
私が勤めていた園では床でのおむつ替えでしたが、他園にお手伝いに行ったときに背の高いおむつ台を経験し、とても感動した覚えがあります(笑)。
大人用テーブルを用意する
事務作業用として、大人用テーブルを用意するのも方法の一つ。簡単に折りたたみができるものであれば、普段は子どもに危険がないようにしまっておくことも可能です。自然で無理のない姿勢で事務作業ができる環境を整えることが大切です。また、同じ姿勢が長く続いたときは、簡単な体操やストレッチ、軽いマッサージで筋肉をほぐす動きを取り入れてみるのも良いですね。
症状がある場合は早めの受診を
もし、既に腰に違和感を感じている場合は、コルセットや腰痛ベルトなどの装具でサポートする方法もあります。しかし、この場合は無理せず、なるべく早めに医療機関に受診することをおすすめします。事前の予防で腰痛を撃退!
日常生活でも仕事でも、腰の痛みはつらいものです。一度痛めると症状が長引いたり、悪化した場合にはぎっくり腰や椎間板ヘルニアなど、病院での本格的な治療が必要なケガにつながる可能性もあります。あらかじめ予防や対策をして、気持ちよく保育ができるように自分の体を管理していきましょう。
【関連記事】