保育のポイント【2歳児・3月】
来月からは、園の中でもお兄さん・お姉さんの仲間入りですね。自分でできることは自分でやってみる、という気持ちを大切に自立した生活を身に着けていきましょう。春の自然も少しずつ顔を出し始めるので、体調や安全の管理をしながら自然に触れられる機会を作ってみましょう。
ねらい【2歳児・3月】
- 進級を控えて、新しい環境への期待を膨らませる。
- 排せつが安定し、自分ひとりでトイレを使えるようになる。
- みんなで遊ぶことの楽しさを感じる。
- 年上の子どもたちに憧れを持ち、真似をして身の回りのことを行う。
- 春の自然を五感で楽しむ。
- ひな祭りの行事を楽しむ。
- 文字を読むことに興味を持ち、簡単なものから覚えようとする。
- 戸外活動で見た自然の様子を、クレヨンを使って表現する。
内容/五領域対応【2歳児・3月】
- 3歳児クラスの保育室で遊んだり、進級後に始まる配膳の手伝いの練習を、ままごとを使って行ったりする。(健康)
- 保育者と一緒にトイレに行ったり、絵本やイラストでトイレの使い方を学んだりして一連の流れを理解する。(健康・環境)
- 小集団で「あぶくたった」や「かごめ」などの集団遊びを楽しむ。(人間関係)
- 年上の子と一緒に遊んだり、手伝ってもらったりしながら生活習慣を身に着ける。(人間関係・健康)
- 鳥の声を聞いたり、葉っぱの色の違いを観察したり、芝生の上に寝転んで感触を楽しんだりしながら、自然体験遊びを行う。(環境)
- 絵本でひな祭りの由来を簡単に学び、「うれしいひなまつり」を歌ったり、行事食を食べたりして文化に触れる。(環境)
- さまざまな場所に書かれた文字を見て、保育者に教わった読み方を繰り返す。(文字)
- 花や虫など、戸外で目にしたさまざまな自然を好きな色のクレヨンで思い思いに描いたり、色を塗ったりする。(表現・環境)
※「内容」については、例文の最後に保育所保育指針にある五領域のどれに対応しているか表示をしています。 ・健康(心身の健康に関する領域) ・人間関係(人とのかかわりに関する領域) ・環境(身近な環境とのかかわりに関する領域) ・言葉(言葉の獲得に関する領域) ・表現(感性と表現に関する領域) |
内容/養護【2歳児・3月】
- トイレの後に自分でおしりを拭こうとする姿が見られたら、一人でできるところまで見守り、必要に応じて手伝う。
- 季節の変わり目でいつもと異なる様子が見られないか、鼻水や咳、熱、食欲、皮膚の状態などに注意して健康観察(視診)を行う。
- 3歳児クラスに行く時間を設け、安心して新しい環境に移行できるよう準備をする。
- 利き手と反対の手はお椀に添えるなど、食事でできることを少しずつ増やせるよう声かけをする。
環境構成・保育者の配慮【2歳児・3月】
- 新しい環境に自然に馴染んでいけるように、3歳児クラスと部屋交換をして1日保育をする時間を設ける。
- トイレットペーパーの使用量が目で見て分かるようにラインをつける。
- 子どもたちが密集しすぎないように、集団遊びをするときは小集団に分けて行う。
- 異年齢児保育の時間を作ったり、他職員に協力を依頼したりして年上クラスの子どもたちにお手伝いに来てもらう。
- 戸外活動で安全に自然に触れられるよう、遊ぶ前にガラス片やタバコの吸い殻など、危険なものがないかチェックをする。
- 給食スタッフと協力して、子どもたちが興味を示しそうな行事食を工夫して提供する。
- 「〇〇って書いてあるね」「これは〇〇ちゃんの〇の字だよ」など、身近なものの文字を声に出して読んだり、子どもの名前と結び付けて覚えられるようにしたりする。
- 好きな色で描けるように、たくさんの色のクレヨンを用意しておく。
予測される子どもの姿【2歳児・3月】
- 進級を楽しみにしていることから積極的に手伝いをしたり3歳児クラスで遊んだりしながら、新しい環境に適応する。
- 「ここまでだよ」と他児と教え合いながら、トイレットペーパーの使用量をラインに合わせて守ろうとする。
- 友だちと遊ぶことの楽しさを感じ、手を繋いだり一緒に行動したりしながら集団遊びを楽しむ。
- 年上の子どもたちの真似をして難しい遊びに挑戦したり、保育者の手伝いを断り身の回りのことを自分の力でやろうとしたりする。
- 「あそこに鳥さんがいるね」「お花大きくなるかな?」など自然の中で発見したものに興味を持ち、知りたがる。
- おやつで提供される菱餅ゼリーを見て、ひな祭り会で覚えた菱餅の色の意味を話したり、料理の名前を言ったりする。
- 自分の名前に入っている文字から覚え始める。
- 個々で同じ花でも色や大きさが違うなど、個性が溢れる絵が描かれる。
前月の子どもの姿【2歳児・3月】
- 片足跳びなど、複雑な身体の動きができるようになり、遊びの幅が広がっていろいろなことを楽しんでいた。
- 標識やイラストに興味を持ち、散歩途中にたくさんのものを探していた。それに引き続きひらがなにも興味を持ち始めた。
家庭や地域との連携【2歳児・3月】
- 1年の感謝の気持ちを伝えると共に、保護者と一緒に進級を楽しみにできるように、不安や悩みなどに寄り添って解決できるようにする。
- 3歳児クラスになると、今までよりさらにひとりでやることが増えるので、家庭と園での様子を共有し合いながら個々に合ったペースで進めていく準備をする。
健康や安全【2歳児・3月】
- 3月は気温の差が激しい日もあるので、寒暖差に注意しながら活動内容を臨機応変に考えていく。
- 無意識に進級を不安に感じ体調を崩す子もいるので、一人ひとりの様子を見ながら健康管理をする。
食育【2歳児・3月】
- 行事食を食べて、文化について知ったり行事を楽しんだりする。
- スプーンの持ち方が安定した子から、箸の練習を始めていく。
今月の行事【2歳児・3月】
- 身体測定
- 避難訓練
- ひな祭り会
- お別れ会
- お誕生日会
今月の遊び【2歳児・3月】
友だちや保育者に親しみ、一緒に遊ぶ楽しさを味わえるような身体を動かす遊びがおすすめです。- いすとりゲーム
- しっぽ取り
- フラフープ遊び
- 転がしドッジボール
- 信号ゲーム
今月の歌・手遊び歌・体操【2歳児・3月】
3月の歌
- うれしいひなまつり
- はるよこい
- ぶんぶんぶん
- おつかいありさん
- 思い出のアルバム
3月の手遊び歌
- むっくりくまさん
- ねこのこ
- おひなさまどうぞ
- 大きくなったら何になる
- ミックスジュース
3月の体操
- イーブイマーチ
- ぐーちょきぱー体操
- まねまねウッホッホ
- ジンギスカン
- うさぎがピョン!
今月のおすすめ絵本【2歳児・3月】
- ちょうちょう ひらひら
- ふうとはなとたんぽぽ
- わたしのワンピース
- みんなでおひなさま!
- ピッキーとポッキー
自己評価【2歳児・3月】
今年度最後の1ヶ月を、子どもたちがのびのびと主体性を持って過ごせるようなサポートができたかどうかを振り返ってみましょう。特に5歳児クラスでは、進学に向けて不安を抱えている子や期待を持っている子など、個々に感情の差が見られます。進級を控えたその他のクラスでも同様、「それぞれの気持ちに寄り添った保育ができたか」を考えて自己評価をしてみてくださいね。
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参考文例をお届けしましたが、あくまで指導計画は自分の言葉で作ることが大切です。一つひとつの事例を参考にしながら、少しずつ自分の考えを入れていくよう工夫しましょう。【関連記事】
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