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目標は「保育業界を動かすこと」。つるの剛士さんが目指す保育者としての未来像【インタビュー後編】

ウルトラマンのポーズをするつるの剛士さん
ほいくis公式Instagramアカウントで行った「この人にインタビューして!」企画で圧倒的な人気を集めた、タレントで保育学生でもあるつるの剛士さん。実現したインタビューの前編では、保育士を目指したきっかけや、これから控えている実習に向けての気持ちを伺いました。そして今回は、保育者としてのご自身の未来像を語っていただきました。つるのさんが将来目指していることとは…? 保育者の皆さんへの熱いメッセージも一緒にお届けします。

強みは「保護者目線に立てること」

笑顔のつるの剛士さん

これから実習もあり、現場に出ると保護者対応をすることもあるかもしれませんが、そのあたりはいかがですか?
 

そこはやっぱり不安かなぁ。どう受け止められるか分からないので。でも、僕も親なので、気持ちに寄り添っていけることは強みだと思っています。悩まれている方がいたら、親として同じ目線でお話を聞けるかなと。そこを活かしていきたいですね。

子育て経験がつるのさんの強みでもありますが、過去に受験資格の件をSNSで発信されていましたね。実際に学んでみて「子育て」と「保育」の共通点や相違点などいかがでしょうか?
 

正直、芸能のお仕事や子育てをしてきたので、読み聞かせや歌などのスキルがあります。先生からも「勉強になりました!」と言っていただくこともあって。でも、最初にもお話ししたように、その場で保育をすればいいというわけではなく、ねらいを持って子どもたちと接するというのは「保育」ならではなのではないかと感じます。明らかに視野が広がりましたね。
インタビューに答えるつるの剛士さん

ただ一方で、受験資格については、あのときから気持ちは変わっていません。受験資格はみんなにあるべきだなと。もちろん、今の僕は保育学生の身なので、謙虚に学んでしっかりと卒業するつもりですが、卒業してからも言い続けます(笑)。夢があっていいじゃないですか。(保育士試験)大変でしたよね?

試験の質を下げるというのは反対ですが、そうではない。夢や志があって試験を受けることができるのはいいことだと思います。まだ試験で勉強したこと、覚えていますか(笑)?

いや…ちょっと不安ですね(笑)。でもよく、「学校で数年かけて学んだことを数ヶ月で学んで試験を受けるのがすごい」と言っていただくのですが、試験組の私からすると、学校で学んで座学も実習も経験している方は尊敬しますね。
 

みんなそれぞれですよね。僕みたいに、高卒で短大や専門学校に行って資格を取る人もいれば、学校を出てそのままなる人もいて。保育現場の中でも、先生たちそれぞれ玄関が違うんですよね。それもまたおもしろいなと思います。

多種多様ですね。男性保育士がいるとまた雰囲気が違ったりして。
 

そうそう。男性は男性でまた違った遊びをしたりするんですよね。でも、僕の同級生にも少数ですが男性がいて、実習を断られてしまうことも多いみたいです。最初から「男性は受け付けてない」と言われてしまったとか。もちろん、更衣室がないとか物理的な問題もあるんですけどね。受け入れの場が広がるとうれしいです。

新しい保育の場をつくりたい

インタビューに答えるつるの剛士さん

この先、保育士として働きたいという願望はありますか?
 

正直、保育者1本でやっていくというのは難しいのかなと思いますね。ただ、僕は保育分野はすごく可能性に溢れた現場だと思っています。潜在保育士さんもたくさんいますが、そういう方たちも含めて、いろいろな分野の方たちが保育分野に入って、新しいことができるような環境が必要なんじゃないかと。

より保育の世界を広げられるといいですよね。では、何かそこに向けた未来の展望はありますか?
 

将来的には、新しい形の保育施設みたいなものを作れたらいいなと、漠然と考えています。先程お話ししたように、いろいろな分野の方が保育の中でその技術や知識を活かして、何かできないかなと思っていて。保育士さんだけが保育分野で、ということではなく、いろいろな職種の方たちが活躍できて、「社会全体で子どもを育てる」という仕組みを僕はつくりたいんです。

つるのさんが芸能界でさまざまな方と接してきたからこそ考える新しい視点ですね。
 

もちろん保育者として働くこともいいと思うのですが、もっといろいろなことができるのではないかと思うんです。なので、僕個人が保育士として働くというよりも、資格を持って保育業界全体をゴーっと大きく変えていけるようなことをしたいですね。

これからは少子化と言われていて、子どもの数も減ってくるかもしれないですが、その分子どもたち一人ひとりの個性が活かされて、いろいろな分野で子どもたちが輝ける、質の高い保育が求められていくのではないかと思います。これまでの保育園や幼稚園ではできなかったような経験を、もっと子どもたちにはしてほしいですね。保護者の方にも、信頼してもらえるような現場をつくれたらいいなと考えています。

例えばどのような場所ですか?
 

そうですね…例えば、僕の子どもは4歳頃から電動バイクに乗って遊んでいるんですよ。一見危ないと思われるかもしれないですが、子どもは五感を使っていろいろなことを考えてバイクに乗っていると思うんです。大人とはまた違った感覚で楽しんでいると思うので、そういう経験がすごく大切だなと思っています。

「安全性」と「経験」の狭間で複雑な想いを抱えている先生は多いみたいです。
 

そうですよね。もちろん安全性も大切ですが、いろいろな経験ができる新しい保育がないかなと思っています。

例えば、都内だとあまり遊びの場がなくて悩んでいる方もいると思うのですが、子どもたちをお預かりして、いつもと違う経験をしてもらえるような場所をつくるとか。保護者の方も、お子さんを預けることに罪悪感を持つ方もいると思うのですが、何も気にせずゆっくりしてください、と。それで子どもが帰ってきたときに「なんかこの子変わったな」と思ってもらえたら、成功ですよね。そういう場所をつくりたい!

保育現場は可能性に溢れている!

インタビューに答えるつるの剛士さん

では最後に、ほいくisを見てくださっている保育者、保育学生の皆さんにメッセージをお願いします!
 

僕も学生なので何も言えないですよ(笑)! でも、保育は学べば学ぶほど奥が深いですよね。倉橋惣三さんのお話じゃないですが、子どもって自然に育つんです。でも保育は、自然に育つ子どもを育てるというところが尊いなと感じます。

保育士は、子どもたちがこれから新たな世界に行く前の、人生の土台作りをする素晴らしいお仕事だと思います。子どもの人生に入り込むって、少し怖いんですよね。でもそこに、「こう育ってほしい」という想いを注ぎ込む大切な仕事なんですよね。

僕は、保育を学ぶことは、自分の人生を学ぶことに通ずるなと思っています。よく「子育てのコツはありますか」と聞かれることがあるのですが、僕は自分の生き方を子どもに見てほしいと思っているだけなんです。「自分の人生をどう生きるか」ということが大切だと思っているので、親である僕たちがいつでも夢を持っていたいし、この先保育者になってもそうであり続けたいと思うんですよね。

だから、保育者である皆さんも、これから保育者になる皆さんも、ぜひ自分たちの夢を持ってほしいです。大人が「こうしていきたい」という明るいビジョンを持っていることが、子どもたちがキラキラ育つために必要なのではないかと思っています。

素敵なメッセージをありがとうございました! つるのさんの今後の保育者としてのご活躍を楽しみにしています。
 

つるの剛士(つるのたけし)
1975年5月26日生まれ
福岡県北九州市出身 藤沢市在住
「ウルトラマンダイナ」のアスカ隊員役を熱演した後、2008年に“羞恥心”を結成しリーダーとして活躍。一躍時の人として人気を博す一方で、2009年にカバーアルバム「つるのうた」をリリースし35万枚を売上げオリコン1位を記録。続いてセカンドカバーアルバム「つるのおと」では25万枚を売上げ、トータル60万枚のセールスを記録し、以降精力的に音楽活動を行っている。将棋・釣り・楽器、サーフィン・バイクなど趣味も幅広く、好きになったらとことんやらなければ気が済まない多彩な才能の持ち主。
二男三女の父親。

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