節分とは
節分の由来には諸説ありますが、「季節を分ける」という意味があり、昔は季節の節目となる「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の前日のことを節分と言ったそうです。旧暦では春を1年の始まりとして考えられていたため、4つの節分の中でも立春の前日はとても重要な日であり、次第に節分は2月3日頃(日付は異なる)を指すようになったと言われています。
2022年(令和4年)の節分は2月3日(木)です。2021年は、124年ぶりに立春が2月3日になり、それに合わせて節分が2月2日になったことが話題になりましたね。実はここから先の続きがあり、2022年に再び2月3日に戻った後も、しばらくの間は4年ごとに2月2日が節分になります。ちなみに、次に2月2日が節分になるのは2025年です。なんだかしばらくややこしくなりそうですね。
豆まき・柊鰯(ひいらぎいわし)・恵方巻の意味は?

豆まき
古代中国で邪気祓いのために行われていた、桃の木で作った弓矢を射る「追儺(ついな)」という行事が日本に伝わり、豆まきとなったそうです。豆を使用する理由として、鬼の「魔目(まめ)」にめがけて豆を投げると「魔滅(まめ)」になるからだと言われています。「鬼は外」「福は内」の掛け声に合わせて、園でも豆まきを楽しんでみてくださいね。柊鰯(ひいらぎいわし)
節分の時期に、柊の枝に焼いた鰯の頭を刺した「柊鰯」を見たことがある方もいるのではないでしょうか。鬼は焼いた煙のにおいや尖ったものを嫌うため、魔よけの意味を込めて玄関先に飾る風習になっています。地域によってはこの風習がないところや、飾る期間が違ったりと住んでいる場所によっても違うようです。ぜひ一度自分の地域ではどうしているのか、調べてみてくださいね。恵方巻(えほうまき)
節分ランチとして給食に提供されることもある恵方巻。その年の福の神様がいると言われる方角(恵方)を向いて、太巻きを切らずにそのまま食べることで、無病息災などを願います。食べるときは無言で願い事を思い浮かべながら、と言われていて、実践している方も多いのではないでしょうか。園で子どもたちと行うときは、サイズや太さなどに注意して楽しんでみてくださいね。2022年(令和4年)の方角は、北北西です。
子どもに伝えるときは?

【伝え方の一例】
- 節分は春が来る前の大切な日
- 季節が変わるときには悪い鬼がやってくる
- その鬼を退治するために豆をまく
- 鬼は、煙のにおいや尖ったものが嫌い(だから柊鰯というものを飾る)
- 恵方巻を食べるときは、元気に過ごせるようにお願いをしながら食べる
園で豆まきをするときの注意点

まくときは小袋のまま
今は、節分の時期になるとスーパーなどで小袋に入った豆が売られています。園で豆まきをするときは、豆をそのまままくのではなく、小袋のまま行うようにしましょう。豆を食べない
よく「歳の数だけ豆を食べる」と言われていますが、子どもたちに豆をそのまま食べさせるのは避けましょう。固い豆は子どもの力ではかみ砕けずに、そのまま気管に入って窒息してしまう危険があります。消費者庁では、「3歳頃まで豆類を食べさせないように」という呼びかけも行っています。豆まきをした後は、小袋であってもしっかりと片付けを行いましょう。
参考:豆やナッツ類は、3歳頃まではたべさせないようにしましょう!/消費者庁
人がいない方に投げる
保育士さんだけでなく、子どもたちも一緒に豆をまくことがあると思います。豆まきを始める前に、「お友だちや先生に向かって投げないようにしよう」と約束を決めてから行うようにしましょう。安全面にも気をつけながら、楽しく行事に触れられると良いですね。節分手作り遊びアイデア
節分をさらに楽しむために、子どもたちとできる手作りゲームをご紹介します。鬼のボーリングゲーム
【用意する材料・道具】
- ペットボトル(500mL/3~6本)
- フラワーペーパー(花紙/好きな色を何種類か準備)
- 折り紙(黄色/本体用、黒色/眉毛用、赤色/口パーツ用)
- 丸シール(目のパーツ用)
- 新聞紙
- ガムテープ(色付き)
- 両面テープ
- 油性ペン
- ハサミ
【作り方&遊び方】
- ペットボトルの中にフラワーペーパーを詰めていきます。
- 黄色の折り紙に油性ペンで虎模様を描き、本体(ペットボトル)に両面テープで巻きつけます。
- 三角の折り紙でツノをあしらいます。
- 丸シールと折り紙で顔パーツを準備し、本体に貼り付けます。
- 丸めた新聞紙にガムテープを巻きつけ、ボールを作ったら完成です。
オニのかんむり
【対象年齢】3歳/4歳/5歳
【用意する材料・道具】
- 牛乳パック(飲料パック)
- 画用紙
- 輪ゴム
- ホッチキス
- 両面テープ
- ハサミ
- カッター
- ペン
豆つかみゲーム
【用意する材料・道具】
- 紙皿2つ※プラスチックの皿などでも可
- 豆
- 箸
- 紙皿の底に、動物やキャラクターなど好きなものの写真を貼ったり、イラストを描きます。
- 底が隠れるくらいに豆を入れます。
- 箸で豆をつかんでもうひとつのお皿に移していきましょう。全部移せたら底にある絵が見えてきますよ。
乳児クラスから楽しめる布おもちゃ
コラムでもお馴染みの人気布おもちゃ作家“ゆっこせんせい”が、節分に楽しめる布おもちゃゲームをご紹介します。節分に楽しめる手遊び歌
せっかくなので、手遊び歌で節分の導入をしてみましょう。こちらは定番の曲ですよね。おにのパンツ
なかなか破れない、丈夫なおにのパンツを歌にした手遊び歌です。原曲は、1880年に発表されたイタリアの大衆歌謡曲「フニクリ・フニクラ」。日本でも良く知られている曲なので、聞いたことがあるという方もいるかもしれませんね。定番の曲ですが、特に節分の時期にはぴったりなので、活動の導入などで取り入れてみてくださいね。
節分に読みたいおすすめ絵本
「言葉で節分を伝えていくのは少し難しい」そんなときは、ぜひ絵本を活用してみてください。今回は、乳児・幼児それぞれに合わせたおすすめ絵本をご紹介します。おにのパンツ
構成・絵:鈴木博子出版社:ひさかたチャイルド
対象年齢:1、2歳~

遊び歌・手遊び歌としても大人気の「おにのパンツ」が絵本になっています。まだ行事そのものの意味を学ぶには難しい年齢のときには、行事にちなんだ「おに」に楽しく触れてみましょう。
描かれているイラストはとても可愛らしく、動物も登場するので、子どもたちも馴染みやすいのではないでしょうか。一緒に歌いながら節分を楽しんでみてくださいね。
>>本の紹介はこちら
おなかのなかにおにがいる
作:小沢孝子絵:西村達馬
出版社:ひさかたチャイルド
対象年齢:4、5歳~

ユニークな設定で子どもたちの想像力を掻き立てる1冊です。読み終わった後は、自分の中の鬼について盛り上がりそうですね。豆まきをしてお腹から追い出した鬼たちが、「おにはうち」の掛け声でお腹の中に飛び込んでいくシーンが面白い、ぜひ一度は読んでほしいおすすめ絵本です。
>>本の紹介はこちら
伝統行事を楽しもう
【関連記事】