保育のポイント【4歳児・5月】
4歳児クラスの子どもたちは、身の回りのさまざまな事象への関心も高まっていきます。少し難しい言葉や意味も理解していけるようになるので、5月は「こどもの日」について話してみてはいかがでしょうか。由来だけでなく、こどもの日に関連する風習や物、食事についても話してみましょう。また子ども同士の関わりもとても活発になるので、ルールのある集団遊びや玩具を使っての活動も取り入れていくと良いでしょう。
ねらい【4歳児・5月】
- 自分で考えて身の回りのことを行う。
- 感染症についての意識を持ち、健康管理を行う。
- ルールやマナーを学び、自分の生活に取り入れて遊んだり行動したりする。
- 保育者や他児の話を聞き、理解しようとする。
- 「こどもの日」について興味を持ち、知ろうとする。
- 廃材を活用した遊びを楽しみ、想像力を育む。
- どうすれば自分の気持ちが伝わりやすいか考えながら伝えようとする。
- 色水遊びを楽しみ、色の変化に興味を持つ。
内容/五領域対応【4歳児・5月】
- 生活の流れから次に何をするのか考え、自分の判断でトイレに行ったり片付けをしたりする。(健康)
- 保育者の話や絵本などを通して感染症の流行や予防について知り、自分を守るための意識を持つ。(健康)
- 「フルーツバスケット」や「はないちもんめ」などの集団遊びを行い、ルールを守ることやみんなで一緒に遊ぶことを楽しむ。(人間関係)
- 保育者や他児と感じたことや経験したことを話しながら、自分と他者に違いがあることを受け入れる。(人間関係)
- こいのぼりやかぶとなどに興味を持ち、意味を調べたり保育者に聞いたりする。(環境)
- 段ボールや牛乳パック、お菓子の空き箱などの廃材を使い、クラスで協力して家づくりを楽しむ。(環境)
- さまざまな言葉に興味を持ち、意味を学んだり使い方を保育者に聞いたりしながら自分の会話に取り入れようとする。(言葉)
- ペットボトルに水と絵の具を入れて、なぜ色が変化するのかや何色になるのかを考えたり観察したりする。(表現・環境)
※「内容」については、例文の最後に保育所保育指針にある五領域のどれに対応しているか表示をしています。 ・健康(心身の健康に関する領域) ・人間関係(人とのかかわりに関する領域) ・環境(身近な環境とのかかわりに関する領域) ・言葉(言葉の獲得に関する領域) ・表現(感性と表現に関する領域) |
内容/養護【4歳児・5月】
- 子どもたちが安心して思ったことや感じたことを伝えられるよう、一人ひとりの気持ちを受け止める。
- 自分でやりたい気持ちを発揮できるよう、身の回りの支度がしやすい環境を整える。
- 慣れてきた園での生活リズムが継続できるように、身支度や水道の使い方、トイレ、手洗い・うがいのやり方を一緒に確認する。
- 天気や気温、活動内容に合わせて自ら衣服の調整ができるように、声かけや促しをする。
環境構成・保育者の配慮【4歳児・5月】
- 保育者は活動の最初にこの後の流れを話し、見通しが立てやすいようにする。
- 手洗いのポスターを掲示したり、感染症について話す時間を作ったりする。
- 集団遊びをするときは、ルールを確認するだけでなく安全に楽しめる広さを確保する。
- 子ども同士の交流には必要以上に仲介せず、関わりや会話のやり取りを見守る。
- 子どもたちが本物に触れられる機会を作るために、園に小さなこいのぼりやかぶとを飾る。
- 段ボールや牛乳パック、トイレットペーパーの芯など、遊びに繋がりそうな廃材を用意する。
- 保育者は子どもと対等の関係であることを意識して会話を行う。
- どの色を混ぜると何色になるのか、子どもが好きなように試せるよう、ペットボトルとさまざまな色の絵の具を用意する。
予測される子どもの姿【4歳児・5月】
- 「次はトイレに行くんだよ」「これを先にやらなきゃ!」など、他児と声を掛け合い、生活の見通しを立てて過ごす。
- 手洗いやうがいなど、保育者の声かけがなくても自然に行う。
- ルールを守ることや集団としての生活に強い意識を持ち、みんなで守ろうとする。
- 初めは自分と違う意見に不満を持つこともあるが、少しずつ折り合いをつけて受け入れることもできるようになる。
- こどもの日に関連するものを気に入り、絵に描いたり製作することを楽しんだりする。
- 想像力を働かせて、さまざまなアイデアで家づくりを楽しむ。
- 語彙が増え、保育者や保護者などの大人とも会話がスムーズにできるようになる。
- さまざまな色を混ぜて何色になるのか調べ、まとめようとする。
前月の子どもの姿【4歳児・5月】
- できることが増えたり、語彙が増えて会話が上手になったりと、お兄さん・お姉さんクラスとしての意識が強く成長がはっきりと見られた。年下の子に対して優しく接する様子も多かった。
- 春の暖かい気候のもとでのびのびと身体を動かし、戸外遊びを楽しんでいた。自然に触れる機会も多く、感触やにおいを楽しんでいた。
職員間の連携【4歳児・5月】
- 一人ひとりの発達や情緒について伝え合い、適切な関わりができるよう共通認識を持っておく。
- こどもの日の行事や保育参観の内容や当日の段取りについて話し合っておく。
家庭や地域との連携【4歳児・5月】
- 自宅でも手洗い、うがいを徹底するよう協力を求める。
- 園での遊びや製作に使用できそうな廃材があれば提供に協力してもらえるよう呼びかける。
健康や安全【4歳児・5月】
- 正しい手洗いの方法を身に着ける。
- 子どもたち自身でできることが増える一方で、活動範囲が広がりケガなどの危険もあるため改めて遊びの環境を見直す。
食育【4歳児・5月】
- 栽培活動の中でそれぞれの植物の色や葉の形、大きさなど細かい部分にも注目しながら観察を楽しむ。
- 箸を使いながら食事を楽しむ。
- 保育者と一緒に給食の配膳や片付けを行う。
長時間保育の配慮【4歳児・5月】
- 一人ひとりが好きな遊びをゆったりと楽しめるよう場を確保したり、玩具の数やコーナー構成の仕方に配慮したりする。
- 笑顔で話しかけたり一緒に遊んだりしながら、一人ひとりが安心して過ごせるように関わっていく。
今月の行事【4歳児・5月】
- こどもの日
- 身体測定
- 避難訓練
- お誕生日会
- 遠足
- 保護者会(全体懇談会)
- ファミリーデー(母の日)
今月の遊び【4歳児・5月】
安定した生活リズムの中で、いろいろなことに興味が持てるよう、保育者や友だちと一緒に戸外で身体を動かす遊びがおすすめです。- ねことねずみ
- もうじゅうがり(猛獣狩り)
- 流れ星のキャッチボール
- だるまさんがころんだ
- バナナ鬼/バナナおに
今月の歌・手遊び歌・体操【4歳児・5月】
5月の歌
- こいのぼり
- さんぽ
- 春の小川
- 公園にいきましょう
5月の手遊び歌
- はじまるよ
- パン屋さんにおかいもの
- たけのこはえた
- わにのかぞく
5月の体操・ダンス
- えがおのまほう
- ケボーンダンス
- えんとつ町のプペル
今月のおすすめ絵本【4歳児・5月】
- ぐりとぐらのおおそうじ
- げんきにおよげこいのぼり
- はみがきれっしゃ
- あらいくん
自己評価【4歳児・5月】
すでに園生活には慣れている子でも、大型連休を挟むと体調を崩しやすかったり、生活リズムが乱れていたりすることがあります。子どもたち一人ひとりの体調をしっかりと考慮して活動ができたか振り返ってみましょう。また、5月は「こどもの日」があり、伝統文化に触れる良い機会です。ただ楽しむだけでなく、子どもたちが興味を持って文化に関われるような工夫ができたかどうかもチェックポイントですね。
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自分の言葉で作る意識を
参考文例をお届けしましたが、あくまで指導計画は自分の言葉で作ることが大切です。一つひとつの事例を参考にしながら、少しずつ自分の考えを入れていくよう工夫しましょう。
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