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SNSの危険性を伝える絵本が登場!幼児期のスマホ利用の実態とは【特集】

スマートフォンを触る子ども
近年、子どものスマートフォンやタブレット機器などの利用率が増えています。テレビ番組が見られたりゲームができたりと便利ですが、その中でも特に幅広い世代から利用されているのが「SNS」。今回は、耳にすることも増えた“SNS犯罪”から自分の身の守ることの大切さについて伝える絵本を特集でご紹介します。

幼児のスマホ使用率の現状

今や私たちの生活の必需品となったスマートフォンや携帯電話(以下スマホ)。最近では、小学生からのスマホ所持も多く見られますね。

内閣府は、2017年(平成29年)に0歳から満9歳の子どもがいる保護者約1,500人に調査した結果を、「低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要)」として公開しています。今回は、その結果をもとに保育園に通う年齢の0~6歳児のデータをグラフにしました。

インターネット利用は0歳児から

0~6歳児のインターネット利用率を示したグラフ
グラフは、0~6歳のインターネットの利用率と、機器の利用率を表しています。どちらも共にほぼ右肩上がりです。また0歳児から利用していることも分かりますね。インターネットを使わなくても、機器自体を使っている子どもはとても多いようです。

ひとりで操作する幼児がほとんど

2~6歳児のスマートフォン単独操作率
このグラフでは、機器をひとりで操作する子どもの割合を表しています。これを見ると、ひとりで機器を操作する割合がかなり高いことが分かります。親と一緒に使ったり、操作を見ているうちに覚えてしまうのかもしれませんね。

また実際に使用している機器の割合は、携帯ゲーム機や契約が切れたスマホが多いようです。今はWi-Fiが繋がっていればアプリの使用なども出来てしまうので、動画視聴やゲームに使用しているのかもしれません。

この他にも内閣府の調査では、子どもたちが実際にどのようなことにインターネットを使っているのかや、保護者の取り組みなども結果が出ています。詳しい調査結果は資料をご覧くださいね。

>>参考:低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要)/内閣府

SNSで起こる事件

スマートフォンを触っている様子
離れた場所でも、さまざまな人と繋がることができるソーシャル・ネットワーキング・サービス、通称SNS。情報収集に使ったり、普段出会わないような人々と出会うことができ、多くの方が使っているのではないでしょうか。その一方で、SNSを使って子どもが巻き込まれる事件も見られます。

今はまだ保育園や幼稚園に通う年齢の子どもたちも、数年後にはSNSを利用するようになるかもしれません。そんなとき、楽しいものであるということだけではなく、その中で起こりうる危険などについても知っておかなくてはいけません。

【SNSで起こりうる事件】
  • SNS上での誹謗中傷
  • なりすまし
  • 匿名での脅迫
  • SNS上で知り合った人による性犯罪
  • 金銭のやり取りを含む未成年者へのアプローチ
  • 投稿内容による個人情報の流出
  • 乗っ取り
  • 高額請求やワンクリック詐欺
被害者の多くは中高生となっていますが、このような事件を防ぐためにも幼児期からのメディアリテラシー教育が必要かもしれません。

>>参考:インターネットトラブル事例集(平成29年度版)/総務省総合通信基盤局 消費者行政第一課 青少年担当
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SNSについて考える絵本登場

メディアリテラシー教育の重要性や必要性を感じても、お話で子どもたちに伝えていくのは難しいですよね。そんな悩みを解決する少し不思議な絵本が登場しました。

絵本『スマホをひろったにわとりは』

『スマホをひろったにわとりは』は、オーストラリアの人気作家ニック・ブランドによって描かれた絵本です。もともと外国の絵本でしたが、出版元であるマイクロマガジン社の「どうしても日本語版が出したい!」という熱い想いによって、2020年7月に発売されました。
絵本スマホをひろったにわとりは
[スマホをひろったにわとりは (日本語) 大型本]
作:ニック・ブランド
翻訳:いしだ みき
出版社:マイクロマガジン社


【あらすじ】
たくさんのどうぶつが暮らす「ケッコウ・コッケイ農場」。そこには、いつもみんなに挨拶をし、親切な友だち思いのにわとり・ポップコーンがいました。

ある日ポップコーンが見つけたのはまぶしく光るちいさな箱。たくさんのメッセージが届きます。夢中になったポップコーンは…? 

ポップコーンが拾ったのはいわゆる“スマホ”です。夢中になって朝から晩までスマホを見つめる彼女は、あれだけ大切にしていた友だちのこともほったらかし。衝撃の結末は現実に起こるSNS犯罪の危険性をとても分かりやすく表しています。

>>本の紹介はこちら

子どもたちに考えてもらう

絵本では「スマホ」という表現はなく、すべての登場人物が動物です。そのため子どもたちにも分かりやすく、読み進めやすい一冊となっています。

この絵本を通して、きっと子どもたちなりにさまざまな考えが浮かぶはず。ポップコーンのような危険を侵さないためにはどうしたら良いのか? その答えは、子どもたちに考えてもらいましょう。

最初にご紹介した内閣府の調査結果の中には、「子供のインターネット上の経験」という項目があります。その中で一番多かった回答は「注意してもインターネットをやめない」というものでした。
大人が教えるだけでは、なかなか「なぜダメなのか」「なにが危険なのか」という真意は伝わりづらいもの。子ども自身が考える経験が、自らの身を守ることに繋がります。

幼児期から安全な使い方を学ぼう

スマホはとても便利なものです。そしてSNSはさまざまな情報を得たり発信することができ、今や生活の一部となっています。正しく安全に使うためにも、幼児期から危険性について知っておくことが大切です。絵本を通して、子どもたちと一緒に考えてみてくださいね。

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ほいくis(ほいくいず)編集部

この記事を書いた人

ほいくis(ほいくいず)編集部

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