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保育士のための転職完全ガイド|求人探しから採用試験対策まで徹底解説

スーツを着た女性とエプロンを付けた女性がガッツポーズしているところ
現職の保育士さんの転職活動や、新卒の保育学生さんの就活に関する情報はさまざまありますが、たくさんあり過ぎて逆に迷ってしまうのではないでしょうか。そこで今回は、転職活動や就職活動の流れに沿って、必要な情報とやるべきことについて総まとめをしました。転職・就職活動をする方にとっては心強い“完全ガイド”として参考にしてみてください。

転職活動/就職活動を理解する

携帯を操作する保育士
初めて転職活動をする、新卒で就職活動をするという方は、まずそれぞれの活動の流れを確認しておく必要があります。また、保育士や幼稚園教諭、保育教諭の仕事探しを取り巻く環境がどうなっているのかを知っておくことも、理解の助けになるでしょう。基本的な情報をまとめましたので、スタート前に一度チェックしてみてくださいね。

転職活動の流れと時期

既に保育士や幼稚園教諭として働いている方が中途採用で転職活動をする場合の大まかな流れをご紹介します。
  1. 求人探し:求人情報サイト、転職支援(人材紹介)サービス、ハローワーク、求人情報誌など
  2. 園見学(実施している場合)
  3. 応募・エントリー
  4. 書類選考:履歴書、職務経歴書
  5. 採用試験:面接、ピアノ実技など
  6. 内定
  7. 入職手続き
基本的に4月~3月の年度で動く仕事のため、正社員や契約社員で働きたいと思っている方は、4月から新しい職場で働けるように転職活動を進めるケースが多く見られます。時期としては、9月頃から保育士の求職者数が増え始め、12月~2月にかけてピークを迎えます。園によっては、次年度のクラス担当決めや配置を確定するための「次年度意向調査」を夏から11月頃までにかけて実施するため、その時期前後から保育士の転職活動が活発化する傾向が見られます。

年度途中の退職は大丈夫?

転職を考えている保育士・幼稚園教諭の皆さんの中には、「退職したいけど、年度途中だと迷惑がかかるから…」と感じる方も多いのではないでしょうか。特にクラス担任をしている場合は、子どもたちや保護者との関係もあり、年度途中での退職を躊躇してしまう心理が働く事情があるのも事実。「そもそもありなの?」というところから、実際に退職をする時の注意点までご紹介します。

保育士の中途採用を取り巻く環境

現在、保育士として働いている人はどれくらいいるのでしょうか。厚生労働省の資料によると、令和2年(2020年)の時点での保育士登録者数約167.3万人に対して、従事者数は約64.5万人。保育士資格を持っていて登録もされているものの、社会福祉施設などで従事していない人(いわゆる潜在保育士)は約102.8万人に上ります。

では、保育士が転職するにあたっての有効求人倍率はどれくらいあるのでしょうか? 令和5年(2023年)1月の数値を見ると、保育士の有効求人倍率は3.12倍となっていて、これは全職種平均の1.44倍と比べると倍以上となり、依然高い水準で推移していることが分かります。一見すると求職者1人あたり2~4件の求人があるという売り手市場ではありますが、都市部と地方との差も大きく、どの地域でも条件が良い園・人気のある園は採用ハードルも高いため、しっかりとした準備をして転職活動に臨む必要があります。

【参考】保育士の登録者数と従事者数の推移/厚生労働省(令和4年)>>詳細はこちら
【参考】保育⼠の有効求⼈倍率の推移(全国)/こども家庭庁(令和5年1月) >>詳細はこちら

新卒学生の就職活動の流れ

保育系の学校(指定保育士養成施設)に通っている学生さんが、新卒として就職活動(就活)をする場合の大まかな流れをご紹介します。

学校を起点とした求人情報の収集ができる点や、園見学で新卒向けのバスツアーを実施している園があるところなどが、中途採用との違いとなります。
  1. 求人探し:キャリアセンターの求人票、新卒向け求人情報サイトなど
  2. 園見学:バスツアーなどもあり
  3. 応募・エントリー
  4. 書類選考:履歴書
  5. 採用試験:面接、ピアノ実技、小論文など
  6. 内定
  7. 入職前研修・内定式など
就職活動のスタート時期については、早い園では最終学年の5月頃から募集を開始するところもあるため、情報収集は早めに始めておいた方が良いかもしれません。保育実習の時期が学校によって異なるので、自分が行きたいと考えている園があるようであれば、採用スケジュールが重ならないかチェックしておく必要があります。

保育学生の就職活動を取り巻く環境

保育士養成校(指定保育士養成施設)の数は、2021年(令和3年)4月現在で675カ所。卒業して資格を取得する人数は36,824(令和2年度卒)となっています。

厚生労働省の資料によると、養成校の卒業者のうち、保育所などの保育士資格を有する必要のある施設に就職している割合は約66%、それ以外の社会福祉施設などは約3%、幼稚園が約15%、その他の施設が約15%という内訳になっています。

また、養成校の学生が保育職への就職を目指すことを決めた理由を聞いたアンケートによると、「保育者になることが夢だった」が約8割(78.6%)と圧倒的で、2位以下の「資格・免許が取得できる(25.2%)」、「授業を通して保育の面白さや、やりがいを感じた(24.5%)」を大きく引き離しています。夢を実現させることができる就職先を選ぶためにも、しっかりと情報収集をして、園探しをしてくださいね。

【参考】保育士養成課程等検討会資料/厚生労働省(令和4年5月23日) >>詳細はこちら
【参考】厚生労働省:保育の現場・職業の魅力向上検討会(第5回)資料1(令和2年8月24日)>>詳細はこちら


就職先の園を探す

保育園の外観
転職活動・就職活動の流れを理解したら、まずは活動の第一歩目である就職先の園探しから始めてみましょう。この時、むやみに探し始めてしまうと、候補を絞り切れなかったり、後々ミスマッチを起こしたりする原因となってしまいます。自分なりの選択の軸を決めてから進められるよう、園選びのさまざまな要素を知っておきましょう。

園の選び方の基本とは

転職や就職を考えている皆さんは、新しい職場選びで何を重視しますか? たくさんの求人情報を目の前にして、「いったいどこが自分に合うのかわからない…」と迷っている方も多いと思います。せっかく就職したのにミスマッチで、「すぐに辞めたい」となっては、時間も労力ももったいないですよね。間違えない選び方のポイントについて解説します。

保育園の種類で働き方は変わる?

保育園を始めとする保育施設にはさまざまな種類があり、それぞれ働き方にも違いがあります。設置母体や規模、対象年齢、開園時間、立地、保育内容などで異なりますが、自分に合った働き方を見つめ直すためにも知っておいて損はないでしょう。さまざまな保育施設別の特徴と働き方の違いについて解説します。

求人票の読み解き方

園の働き方や雰囲気も大切ですが、給与・待遇は園選びでチェックすべき最重要ポイントと言っても良いでしょう。その点、転職活動や就職活動で数多く目にする求人票(求人情報)は、給与・待遇や福利厚生などの基本情報が詰まった、最も大事な情報源と言っても過言ではありません。

それだけに正しい見方を知っていないと、後々「思っていた条件と違う」といった事態にもなりかねません。こちらの記事では、求人票の見方を項目別に徹底解説しています。

自治体の補助制度をチェックしよう

待機児童問題は解消されつつあると言われていますが、保育士を取り巻く環境を見てみると、2024年(令和6年)4月の配置基準改定や、同じく2024年(令和6年)から試験導入がスタートしている「こども誰でも通園制度」などもあり、依然として保育士不足問題は深刻です。労働の負担や責任の重さに見合わない賃金水準などから、保育の仕事を離れてしまう方も少なくありません。

しかし近年、問題意識を持った自治体が独自の保育士確保対策を行うところが増えてきています。より良い待遇や条件で働けるところを探すのも、就職先探しでは重要です。転職・就職を考えている地域の自治体でどのような制度があるのかは確認しておいた方が良いでしょう。

新規オープン園の求人ってどうなの?

転職活動をしている方は、求人情報サイトの保育園検索で「新規オープン園」「新規開園」というキャッチフレーズを目にすることも多いのではないでしょうか。「オープニングって楽しそう」と思っている方は、すでに検討の軸の一つとして決めているかもしれません。

しかし、実際にどういう働き方をするのかは今一つ分かり辛いですよね。こちらの記事では、よくある「新規オープン園」求人の特徴や魅力だけでなく、注意点についても解説しています。

>>オープニング求人の特集ページを見る

保育資格を活かせる施設とは

保育士資格を持っている方の多くは、保育園や認定こども園などで勤務していると思います。その一方で、保育士資格を活かせる場所が他にもあることはあまり知られていないかもしれません。今回は、そういった施設の種類や特徴について解説。就職先の選択肢の一つとして考えられるかもしれませんので、チェックしてみてはいかがでしょうか。

転職支援サービスを利用する

園探しでは求人情報サイトを始め便利なサービスがたくさんあります。しかし、逆に選択肢が多くて迷ってしまうということもあります。そんな時におすすめなのが、専任のキャリアアドバイザーがサポートしてくれる転職支援サービス。こちらのサービスでは、おすすめの保育士専門のエージェントを紹介してくれます。ぜひチェックしてみてくださいね。

>>保育士専門の転職エージェントへの無料相談はこちら

転職フェア・イベントを利用する

就職先探しの方法にはいくつかありますが、限られた時間の中で効率よく進めるには「就職・転職フェア」といったイベントに参加するのも選択肢の一つ。一度に複数の園や事業者の情報を得ることができるので、近郊で開催されるようであれば、参加してみても良いでしょう。

>>開催予定の転職フェア・イベントはこちら

園見学の進め方

保育園の室内の様子
転職活動・就職活動をした結果として最も避けたいのが、就職先とのミスマッチ。先方の園のホームページや求人サイトの情報からある程度の情報は得られますが、実際の現場で得られる情報に勝るものはありません。

先方の都合や時間的な制約はあると思いますが、可能であれば園見学(施設見学)をすることをおすすめします。ここでは、園見学ができた場合にチェックしておきたいポイントなどを解説します。

園見学のチェックポイント

新卒の学生さんの中には、園見学をするべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。「行っても見るポイントが分からない…」と感じている方もいると思います。しかし、機会があるのであれば、園見学はなるべく行くことをおすすめします。こちらの記事では、実際に園見学に行っていた保育士ライターが、チェックすべき基本ポイントをご紹介します。

園見学の事前準備と見方

いよいよ園見学。貴重な機会を活かすためにも、事前準備はしっかりしておきたいですね。まずは園見学の目的を理解し、当日何を見るべきかを自分なりに優先順位をつけておくことが大切です。その上で、当日見るべきものをチェックできれば、ホームページやインターネットの情報だけでは分からない、園選びを判断するための重要な情報が得られるでしょう。

園見学の服装はどうしたらいい?

実際に希望する園に見学に行こうと考えている方にとっては、どんな服装で行ったらいいのか悩んでいる方もいらっしゃると思います。スーツが良いのか? 私服でもOKなのか? といった選択肢があり、決めかねてしまいますよね。今回は、園見学に適した服装と持ち物についてご紹介します。

履歴書・職務経歴書の書き方

履歴書と○×パネル
応募・エントリーする園が決まったら、いよいよ採用試験です。その第一関門と言えるのが書類選考。転職活動の場合、一般的には履歴書と職務経歴書の二つをセットで提出することになります。新卒学生さんの場合は履歴書のみですね。

これらは、応募先の園に自分のことを伝え、アピールしていくための大事なツールです。「自分のことを書けばいいから簡単」という気持ちで書いてしまうと、書き手視点の独りよがりな内容になってしまい、読み手である採用担当者に響かない内容になりがちです。書き始める前に、一度チェックすようにしましょう。

履歴書の書き方

履歴書は、採用担当者に自分自身のことを知ってもらうファーストステップとなります。履歴書から受ける印象が合否を左右すると言っても過言ではありません。しっかりと基本を押さえて正しく書くようにしましょう。

今回は、学歴、職歴の書き方や写真など基本の項目から自己PR、志望動機の書き方まで、詳しく解説します。

職務経歴書の書き方

初めて転職活動をする方にとっては、「そもそも職務経歴書って?」というところの理解から始まると思います。職務経歴書とは、履歴書よりさらに細かく自分自身の仕事の経験・実績をアピールするもの。どのような場所で働いたのか、何歳クラスの担任をしてきたのか、どのような保育方針を持っているのかなど、自分らしさを伝えるための重要な書類です。

初めて書く場合は難しく感じるかもしれませんが、ポイントを押さえて、見やすく分かりやすい職務経歴書を目指しましょう。

面接対策

面接を受ける女性
書類選考を無事突破したら、いよいよ面接です。緊張するので苦手という方も多いのではないでしょうか。面接ではさまざまなことを聞かれますが、保育士の転職や新卒採用で特に聞かれる質問もありますので、事前に想定して対策をしておいた方が良いでしょう。

転職理由を聞かれたらどう答える?

転職活動の面接で避けては通れない質問が、「転職理由を教えてください」「退職した理由は何ですか?」。保育士や幼稚園教諭の退職理由では、人間関係や待遇面が原因というケースも少なくありません。しかし、そういった理由をそのまま伝えてしまっては、採用担当者にネガティブな印象しか与えません。どのような切り返しが良いのか確認しておきましょう。

新卒学生の面接で聞かれることは?

新卒の学生さんにとって面接は初めての経験。対策をしておきたいけど、そもそも何を聞かれて、どう答えるかといった基本的なことが分からず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。こちらの記事では、保育士ライターや、面接を経験してきた先輩保育士の経験を元に「よくある質問」について解説しています。

自己PRの作り方

面接でよく聞かれる定番の質問に「自己PR」があります。自分のことを簡潔にまとめて紹介する「自己紹介」とは違い、自分のアピールポイントを話すための質問です。この二つは混同してしまいがちなので、注意しましょう。

自己PRで大切なのは、「自己分析をすること」。まずは自分を見つめ直して、客観的に分析するところから自己PRを組み立てていくようにしましょう。作り方のポイントについて確認してみてください。

入職したら

ボールを持った保育士
転職・就職活動とは直接関係はありませんが、番外編として参考にしてみてください。特に新卒で保育士デビューをする方は、社会人としての基礎知識として覚えておいた方が良いポイントをまとめてありますので確認してみましょう。

新人保育士が知っておきたいビジネスマナー

新社会人として保育士デビューする皆さんの中には、保護者や先輩保育士さんとの関わり方に不安を抱えている方もいると思います。そこで覚えておきたいのがビジネスマナー。一般企業に就職すると、多くはビジネスマナー研修などの機会が設けられています。しかし、専門職である保育士さんは、就職したその日から子どもたちとの毎日にバタバタ…マナー研修どころではない! というところも少なくないと思います。今回は、新社会人として知っておきたい基本的なマナーをご紹介します。

まとめ

いかがでしたか? 転職・就職は人生の分岐点にもなる大事なライフイベントです。後悔することのないよう、しっかりと考えて準備をし、自分自身の力を100%発揮できるようにして臨んでくださいね。皆さんの成功を願っています。
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