室内遊びの環境設定
初めに、室内遊びをするときは環境設定をしっかり行いましょう。室内は外よりも行動の範囲が制限されます。外遊びより目は行き届きやすいので安心する反面、しっかりと環境を整えておかないとケガにつながる可能性もあります。遊びの内容を決めたら、子どもたちの遊び方や興味、発達状況、月齢などを考慮して、必要な物的・人的環境を整えましょう。
体操をするとき
- のびのびと身体を動かすことができる十分な広さを確保する。
- 室内は滑りやすいので走り回る体操は避ける。もしくは自分で制限できる年齢になったら行う。
製作をするとき
- ハサミやのりを使う場合は使い方を事前に教える。
- 危険がないようにサポートできる人的環境を整える。
- 子どもたちの発想が広がるさまざまな素材を用意しておく。
ゲームやおもちゃで遊ぶとき
- 遊ぶための十分な広さを確保する。
- 複数の遊びをする際は、子どもたちが主体的に選べるようコーナー設定をする。
おすすめの室内遊び30選+α
ここでは、10種類の遊びから室内で楽しめるものを30選以上ご紹介します。年齢や子どもたちの興味などに合わせて取り入れてみてくださいね。①体操・リズム遊び
「室内でも身体を動かしたい!」というときには、体操がおすすめです。既存の体操で踊るのも良いですが、好きな曲を流して振付に関係なく「自由にダンス!」というのも楽しいですよ。音楽に合わせて動くので、音に慣れ親しんだり歌ったりすることもできます。雨の日は子どもたちも身体を動かせずにストレスが溜まりやすいので、適度に汗をかくにもぴったりです。先生も一緒になって身体を動かせるので、クラスみんなで運動不足解消になるかも!?
おすすめの体操
- みんなといっしょたいそう
- ブンバ・ボーン!
- ジャンボリミッキー!
- 秘伝!ラーメン体操
室内遊びにおすすめの体操
②サーキット運動
天気や気候などで外に出られない日は、子どもたちも活動量が足りずに「なかなか午睡で寝付けない…」「ストレスで体調を崩す」ということが多々あります。戸外のように遊ぶことは難しいかもしれませんが、サーキット運動は室内でも十分に身体を動かすことができます。のびのびと身体を動かせるうえ、跳んだり、くぐったり、転がったりと、さまざまな身体機能を使って楽しむことができますよ。広い場所の確保や、子どもたちが一か所に密集してしまわないような工夫しながら遊びましょう。
0歳・1歳・2歳児クラスのサーキット
マットやボール、跳び箱、フープなどを使って乳児クラスでもサーキット遊びを楽しめます。保育士が遊ぶ姿を見せたり声掛けすることで、子どもたちの「やってみたい」を引き出していきましょう。
忍者の修行サーキット
日ごろから忍者ごっこを楽しんだり、絵本や製作を通して忍者のイメージを高めると、サーキット遊びも「忍者の修行」に大変身!子どもたちのやる気がさらにアップします。
③風船遊び
風船は年齢に関係なく遊ぶことができるので、あるととても重宝します。ポンポンと打ち上げて遊ぶも良し、上から吊るした風船をパンチして遊ぶも良し。たくさんの風船を圧縮袋に入れれば、風船のお布団ができあがります。風船を使ったお絵描き遊び
風船に絵の具をつけてタンポのように使う描画遊びで、1歳児から5歳児クラスまで年齢を問わずに遊べます。風船の大きさや形を変えると表現も変わるのでおもしろいですよ。
風船と布を使った遊び
風船と布を組み合わせると「風船を布に乗せる」「布から風船を降らす」などの遊びもできます。不織布など向こう側が透けて見える布だと楽しさが倍増します!
④新聞紙遊び
新聞紙は、風船と同じく遊び方の幅が広い素材です。低年齢児であれば、ビリビリ破くだけでもOK。他にもお面や衣装を作ったり、ボールを作ったりと、楽しみ方はさまざまです。新聞紙ダーツ
新聞紙を細長く丸めてダーツを作り、的に向かって投げる遊びです。保育士がダーツを作るのも良いですが、4歳児、5歳児クラスならば子どもたちが「マイダーツ」を作るのもおすすめです。
新聞紙ツリー製作
新聞紙を丸めて切り込みを入れてツリーを作る製作です。最後にスッとツリーが完成する瞬間を見せれば、「うわぁー、やりたーい!」と子どもたちも夢中になること間違いなしです!
⑤集団遊び
実は、室内は範囲が限られている分、集団遊びがしやすい環境でもあります。ルールがある遊びを楽しめるようになったら「フルーツバスケット」「ハンカチ落とし」など、クラス参加型の集団ゲームをするのも良いですね。適度に身体を動かせるだけでなく、ルールを守って友だちと遊ぶことを楽しめます。広い場所が必要になるので、周りの環境や子ども同士の衝突などには十分注意しましょう。
フルーツバスケット
ハンカチ落とし
むっくりくまさん
1歳児から楽しめる集団遊びがむっくりくまさんです。「みんなで歌を歌ったらくまさんとの追いかけっこが始まる」というシンプルなルールなので、乳児クラスでも遊びやすいのが特徴です。
⑥楽器を使った活動
リトミックや発表会で触れることはあるかもしれませんが、普段の保育で楽器を取り入れているところは少ないかもしれませんね。この機会に、ゆっくりと楽器に触れてみてはいかがでしょうか。さまざまな楽器の音の違いを楽しんだり、演奏方法を知ったり、好きなように音を出してみたりと、良い機会になります。子どもたちが興味を示したり、楽しんでいたりするようであれば、生活発表会などに取り入れることもできますね。
音当てクイズ
子どもたちは目をつぶって保育士が鳴らす楽器の音に耳を澄ませ、それが何の楽器の音か当てるゲームです。楽器への興味関心が高まるので、楽器遊びの導入にも使えます。
カスタネットたたこう
カスタネットやタンバリン、すずなどのリズム楽器を使って、みんなで歌いながら遊べます。楽器づくり
⑦体操絵本/季節の絵本
「乳児クラスではなかなかできる室内遊びがない」と困っている方は、体操絵本を使ってみてはいかがでしょうか。絵本の中には体を動かしながら楽しめるものがたくさんあります。保育士さんとのスキンシップにもなるので、絵本棚に用意しておくと雨の日などは重宝しますよ。その他にも、ゆったりと過ごす日には季節に沿った絵本の読み聞かせがおすすめです。雨が続く季節にはカエルやおたまじゃくしなどが出てくるものを、寒い冬には雪遊びの絵本などを読むと、季節感を子どもと一緒に楽しむことができます。
体を動かす絵本
雨の日が楽しくなる絵本
虫の絵本
虫の絵本を読んでから「雨の日は虫さんどうしてるのかね?」などと子どもたちに投げかけると、想像が膨らみいろいろな考えが出てきておもしろいですよ。
⑧雨の日散歩
「雨の日は外に出られない」という考えを変えて、「雨の日散歩」を楽しむのもおすすめです。6月頃に3~5歳児クラスでこの遊びを取り入れている園も多くなっています。レインコートを着て傘を差し、園の周辺をお散歩します。雨の日散歩は、雨の日にしか見られない景色や自然、生き物に触れられる素敵な機会です。普段、雨の日は室内で過ごすからこその特別感溢れる体験ですね。
その分、交通状況や周辺環境、天候の状況、傘の使い方や歩き方など、気を付けなければいけない点も多くあります。しっかりと準備をしたうえで、取り入れてみてはいかがでしょうか。
⑨季節感を取り入れた製作活動
室内遊びが続くときは季節感を取り入れた製作はいかがでしょうか?梅雨ならば傘やカタツムリ、夏の暑いときはかき氷や金魚すくいなど、この季節にぴったりのモチーフで製作アイデアに取り組んでみましょう。「保育園に来るときに、カタツムリを見たよ」なんて子どもの声から、カタツムリを題材にした製作を…という繋がりのある活動ができると、より良いですね。レインボーかき氷製作
3歳、4歳、5歳児クラスが対象のかき氷製作。完成したら飾るだけでなくごっこ遊びでも使えますし、夏祭りの行事活動にも繋げられるのでおすすめです。
おでん製作
寒い冬にはおでん製作をして、みんなでお店屋さんごっこをするのはいかがでしょうか?4月から保育園で生活してきた子どもたちにとって、冬はぐっと成長する季節です。1年の締めくくりに、みんなで協力して製作からお店屋さんごっこができるととっても楽しいですよ!
⑩廃材で大がかりな製作
室内遊びが続いたら、段ボールや牛乳パック、菓子箱、ペットボトルなどの廃材を利用した少し大がかりな製作をしてみませんか? 段ボールの家や迷路、ごっこ遊びに活躍する電車やお店など、時間をかけてひとつのものを作ってみると楽しいですよ。子どもたちの発想に任せて見守ると、きっとびっくりするような大作が出来上がります。ペットボトル鬼のボーリングゲーム
節分の時以外でも鬼をやっつけるボーリングとして楽しく遊べます。「他にもゲームがあったらゲーム屋さんができそうだね」などと声掛けすれば、4歳児、5歳児クラスの子どもたちならばどんどん製作が広がるのではないでしょうか。