保育士試験とは
もしこれから保育士資格試験の受験を考えているという方は、まずはこちらからチェックしてみましょう。保育士の資格を取るためには大きく分けて二つの方法があります。一つは保育養成校と呼ばれる学校(大学、短大、専門学校など)に通い、修了することで資格を得る方法。もう一つが、年に2回行われる国家試験を受験して合格することで資格を得る方法です。この記事では、国家試験である保育士資格試験の受験資格や日程、出される課題の内容などについて、2021年度(令和3年度)の最新情報をお伝えしています。
保育士試験の合格率はどれくらい?
難易度が高いと言われている保育士試験ですが、どれくらいの合格率があるのでしょうか? 厚生労働省が公表している令和元年(2019年)度の保育士試験実施状況に関する資料によると、前期・後期合わせた受験者77,076人に対して合格者は18,330人。合格率は23.8%となっています。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
令和元年・第1回(前期) | 36,640 | 5,169 | 14.1% |
令和元年・第2回(後期) | 36,526 | 12,009 | 32.9% |
令和元年・通年の合計 | 77,076 | 18,330 | 23.8% |
同じく厚生労働省が公表している平成17年(2005年)から平成27年(2015年)の保育士試験の概要をまとめた資料によると、合格率が最も低い年は11.1%(平成20年)、最も高い年は27.6%(平成24年)となっていて、かなりばらつきがあることが分かります。目安としては約20%前後と思っておいた方が良いでしょう。
出典:保育士試験の実施状況(令和元年)/厚生労働省
筆記試験と実技試験それぞれの合格率は?
気になる筆記試験と実技試験それぞれの合格率はどれくらいでしょうか。先ほど紹介した平成17年(2005年)から平成27年(2015年)の実施状況に関する資料によると、筆記試験のみの合格率は18.1%(10年間の平均)。一方、実技試験のみの合格率は83.0%(10年間の平均)となっています。
やはり出題範囲が広く、広範囲の知識が求められる筆記試験の難易度が高いと言えるでしょう。実技試験については3つの課題(音楽、造形、言語)から2つ選択と、ある程度やることも絞られるため、しっかりと対策をすればクリアできる試験だと言えそうです。
保育士試験に合格するためには、まずは筆記試験をクリアするための対策が必須ですね。
出典:保育士試験の概要(平成27年)/厚生労働省
保育士試験対策【筆記試験編】
保育士試験は2種類の試験がセットになって行われます。まず最初に行われるのが筆記試験、それに合格した人だけに実施されるのが実技試験です。ここでは、第一関門である筆記試験についての対策をご紹介します。社会人で仕事をしながら目指す人、あるいは家事や育児の合間をみて勉強しているという方もいらっしゃると思います。限られた時間で、しかも久しぶりの勉強と、大変だと思います。特に独学でという場合は、効率的な勉強方法について知っておきたいですよね。自分に合った方法を見つけてみましょう。筆記試験の科目は?
筆記試験は全部で9科目。そのうち2科目(教育原理と社会的養護)は、両方合格しないと合格判定とならないものがあります。出題形式はすべてマークシート方式で、筆記試験に合格すると実技試験の受験資格が得られます。- 保育原理
- 教育原理及び社会的養護 ※二つとも合格しないと合格判定にならない
- 子ども家庭福祉
- 社会福祉
- 保育の心理学
- 子どもの保健
- 子どもの食と栄養
- 保育実習理論
過去問を活用しよう
保育士試験対策にもさまざまな教材がありますが、他の入試試験などと同じく過去問、いわゆる過去問題集の活用が有効です。ただし適切に活用しないと、無駄な時間を費やしてしまったり、間違った知識を覚えてしまう可能性もあります。正しい過去問の活用法について知っておきましょう。筆記試験の解答速報をチェックしよう
筆記試験対策とは異なりますが、受験当日に解答速報を発表するサービスをしているところがいくつかあります。いち早く筆記試験を自己採点して結果を知りたいという方は利用してみても良いでしょう。ほいくisでも、全国で保育士養成スクールを展開するキャリア・ステーションの協力により解答速報をお届けしています。当日はぜひチェックしてみてくださいね。
経験者が語る!保育士試験本番で失敗しないコツとは
始めて保育士試験を受けるという方は、雰囲気やどう立ち回って良いかが分からないので不安ですよね。しかも2日間の長丁場です。その点、実際に受験した経験者の話はとても参考になります。
筆記試験で陥りがちな失敗をチェック
保育士試験受験経験者のライターが、実際の体験をもとに失敗回避のポイントをまとめました。意外と起こりがちな失敗や、気を付けておきたいことなどがよく分かります。筆記試験の当日までにぜひ一度、読んでおきたいですね。吉本芸人タケトさんの受験当日のおもしろ秘話
試験で100%の実力を発揮するには?
ここまで勉強してきたからには、当日100%の力を余すことなく発揮したいですよね。そのためには、リラックスして臨むことも必要です。受験経験者のライターが試験当日の心構えや、おすすめのリラックス方法をご紹介します。保育士試験対策【実技試験編】
「音楽」課題のポイントと練習方法とは
3つある実技試験の課題の中でも、特に「緊張した!」という声が多いのが音楽ではないでしょうか。中には「ピアノは得意」という方もいらっしゃいますが、単純にピアノが弾ければいい訳ではなく、指定の約束事や当日の独特の雰囲気で実力を100%発揮できないことも考えられます。今回は、多くの方がピアノで受験されることもあり、そのポイントをご紹介します。実際に練習ができるよう、ピアノ講師による実演も見られるレッスン動画もありますので、チェックしてみてくださいね。ほいくisに会員登録(無料)をすれば課題曲の楽譜がダウンロードできますので、楽譜を準備したいかたはぜりご利用ください。
「造形」課題って何を練習すればいいの?
テーマが当日まで分からず、なかなか難易度が高いと言える「造形」の課題。指定のテーマに沿って絵を描く試験内容になっていますが、受験の手引きには「保育の一場面を絵画で表現する。」とのみ書かれていて、細かいテーマは当日まで分かりません。そんな造形の合格突破のためのポイントと練習方法をご紹介します
「言語」課題をスムーズに話すための練習法は
「言語」は、何もない状態で物語を3分以内で話す“素話(すばなし)”が課題となっています。前もって題材は決まっているため、比較的取り組みやすい課題とも言えます。しかし、制限時間を始めいくつか制約かありますので、その点を踏まえた対策をする必要があります。実際に練習ができるよう、保育士による実演が見られるレッスン動画を用意しましたので、ぜひチェックしてみてくださいね。
どんな服装で臨めばいいの?
最後は番外編です。実技試験の内容はもちろん気になりますが、意外と気になって悩んでしまうのが服装です。基本的に自由ではありますが、万が一のことを考えてポイントを押さえておきましょう。
まとめ
保育士試験に向けて勉強中の皆さんは、たくさんの努力を重ねてきたのではないかと思います。試験を前にして一番苦しい時期かもしれませんが、最後まで諦めずに、自分のできることに取り組んでいきましょう。皆さんの合格を心から祈っています。【関連記事】